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大前研一著「お金の流れが変わった!」
昨年8月以来の大前研一さんの本です。いつもながら、普段知る事のできない知見を得ることができます。



●アメリカ人自身が「いったいアメリカとは何か」を問いはじめ、2010年11月3日の中間選挙では、「小さい政府・強い政府」を標榜(ひょうぼう)する「ティーパーティ」に支援された共和党が大勝。おそらく今後、アメリカが対外的な干渉を行う機会はさらに少なくなるだろう。(p.14)

●1979年に、リー・アイアコッカが経営危機に瀕(ひん)していたクライスラーの社長に就任したときも、アメリカ政府はわずか15億ドルのローン保証しかしなかったのだ。今回のように、国内の資本や雇用を守るという名目で、国がなりふりかまわず民間企業の救済に乗り出すようでは、アメリカはもはや自由主義経済とはいいがたい。純然たる社会主義国家になったのである。ついでにいうなら、いまのアメリカのようなやり方で成功した例は、歴史をふりかえってもほとんどない。フランス、イタリア、イギリスなども、これまで自国の民間企業を国営化してきたが、大半が失敗に終わっている。20世紀に社会主義を標榜した国家がどれも崩壊しているのを見ても明らかだ。(p.18)

●もともとアメリカのホワイトカラーは、家を買って借金を払い終えたら、あるいは半分くらいになったところで残りの部分を抵当に入れて、もう少しグレードアップした家に住み替え、平均すると一生のうちに4度、家を買うといわれている。そこに住宅価格の急激な上昇が加わった。買った家の価値が上がるのと比例して抵当価値も増加するので、まさに「住宅がATM」と化してしまったのである。(p.23)

●一人当たりのGDPで見れば、中国はいまだ日本の10分の1規模にすぎないが、その一人当たりGDPも、1995年には世界一であった日本が、いまでは世界の25位。ヨーロッパの小国にも日本より上の国はたくさんある。(p.32)

●中国人の計り知れない消費意欲と、ケタ違いの内需の規模を示す一例が高速道路。日本が戦後建設してきた高速道路をすべて(いま予定されている部分も含めて)足すと1万3000キロメートルになる。じつはこれとほぼ同じ距離を、中国は毎年つくっているのである。時速351キロメートルで走る新幹線網もすでに3500キロメートルに達している。今後十年間で、これを5万キロにまで延ばす計画もある。"鉄道王国"日本の姿は、すでに過去のものになっているのだ。(p.41)

●ホームレス・マネーとは、投資先を探して世界をさまよっている、不要不急で無責任きわまりないお金のことだ。~(中略)~過剰流動性、つまり市場のカネあまり現象というのは、以前は政府が考えなしに実体経済をはるかに上回る資金を供給することで起こったが、現在の過剰流動性は、必ずしもそうとはいえない。世界的に高齢化とモノあまりが進み、需要が低調でお金がモノに転換されなくなったのがおもな原因だと私は見ている。(p.54)

●2009年12月1日、EUの新基本条約であるリスボン条約が発効された。~(中略)~では、リスボン条約の発効で何が変わったのか。ひと口にいうなら、これによってEUはついに「国」になったのである。欧州理事会常任議長の任期は半年から2年になり、しかも最大で2年4期務めることができるようになる。つまり、実質的には「ヨーロッパ大統領」ということだ。(p.70)

●私は「VITAMIN」という言い方をメキシコなどでは推奨している。BRICsという親しみやすい総称で、50年と待たずに一気に先進国の資金と企業が押し寄せた効果にあやかって、親しみやすい名前で売り込め、と講演会などではけしかけている。ちなみにVITAMINはヴェトナム、インドネシア、タイとトルコ、アルゼンチンと南アフリカ、メキシコ、イランとイラク、そしてナイジェリアである。(p.85)

●成熟経済では金利を下げて資金供給をしても、経済自体が資金を必要としていないから、それを吸収しないのである。くわしくは拙著(『大前流心理経済学』<講談社>や『民の見えざる手』<小学館>など)を参考にしてもらいたいが、20世紀の経済学者がいうことを信じて巨大政府にしても、少子化するなかで将来世代へのツケ送り借金を増やすだけである。(p.89)

●アップルの優れたOS(基本ソフト)を実証しているのは、アップルではなく台湾の高雄に本拠を置く世界最大のEMS(電子製造会社)鴻海(ホンハイ)である。中国を中心に100万人の従業員を擁するが、彼らが台頭したのはせいぜいこの10年のことであり、まさに21世紀経済の寵児ということができる。(p.92)

●年金のリターンを生み出すには(高齢化した)自国ではなく、自国の30~50年と同じような経済発展段階を通過中の新興国において運用するしかない、という結論に急速に収斂(しゅうれん)してきているのだ。21世紀になって世界のカネの流れが変わった。その最大の理由は、(高齢化する)先進国や(高騰する石油で)OPECに過剰な資金が貯まる一方、自国では富を生み出さないどころか、目先の景気回復策と称してゼロ金利や低金利にしてしまっているからである。住むのは安全・安心な先進国、資金の運用は発展著(いちじる)しい新興国、という流れがこの5年間くらいのあいだに定着してきたのである。(p.94)

●しかし、2004年にインドネシア史上初の大統領直接選挙で、現職のメガワティを破り当選したユドヨノが大統領に就任してからの5年間で、この国は大きく変わった。覇権を求めないアジアの盟主になりつつある。過去の脱税を不問に付し、税収を50パーセント増加させた強烈な実績をもつスリ・ムルヤニ前財務相(女性)とのコンビが成功し、コンシューマー(消費者)関係の会社の大半が、年率50パーセント(!)の倍々ゲームで伸びているのである。(p.97)

●そのインドネシアで「世界でいちばん好きな国はどこか」というアンケート調査をすると、75パーセントは「日本」をあげるという。~(中略)~第二次大戦の最中、日本がオランダからの独立を加速させたことや、戦後いち早くODAを行い、日本企業が進出して雇用を創出したことなどが、その背景にあるという。それくらい親日的な国なので、中国よりもビジネスは数段やりやすく、すでに結果を出している日本企業もいくつかある。~(中略)~象徴的なのが大塚製薬。ポカリスエットが、当初ラマダン(断食月)明けにターゲットを絞り、熱帯性気候も手伝って大当たりし、いまや国民的飲料といわれるほどに普及している。(p.98)

●しかもタイは、熟練工の忍耐力が秀でている。日本国内でしか不可能といわれていた高級カメラの製造も行えるほどで、ニコンの上位機種はほとんどがタイ製だ。~(中略)~いまでは自動車などに関しては、ほとんどの部品が現地でそろうので、日本にとっては貴重な(低コストの)生産基地となっている。なかには日産マーチのように、タイでつくって日本に輸入し、100万円を切る価格を設定できるような事例も出てきている。(p.102)

●フィリピンは、ラモス大統領の5年間を除いてASEANのなかではもっとも指導者に恵まれていない不幸な国である。しかし本来、フィリピン人は教育熱心で頭もよく、世界じゅうに人材を輸出してきた。失業率が高いので、コンピュータ技術者がハッカーとなる割合も世界一といわれている。これを逆手にとって、大手のセキュリティ対策ソフト会社はその開発・研究機関をフィリピンに置いている。(p.103)

●まさにグローバルなスケールで、島宇宙にも似た「50年前の日本と同じポテンシャルと規模をもつ経済」が20くらい形成されつつあるのだ。この新しい21世紀の世界観をもつことが日本の再活性化には不可欠だと考える。(p.115)

●これからはマルチプルを理解し、積極的に自社のマルチプルを高めるような経営者でなければ生き残っていけないだろう。「金利が高いから設備投資を控える」などといっていてはダメなのだ。説得力のある成長ストーリーを描き、それをきちんと市場にアナウンスすることができれば、お金は世界じゅうからやってくるのである。逆に、いくら健全経営をしていても、成長見込みのないつまらない会社だと見られていたら株価は上がらない。「収益性はいいのにどうも株価が上がらない」と嘆いている経営者は、弾の撃ち方を知らない腰抜けガンマンだと思ってまちがいない。錯覚だろうが、画に描いた餅だろうが、この経営者ならお金を増やしてくれると思わせたら勝ち。世界じゅうからホームレス・マネーが寄ってくる。それがマルチプル経済なのである。金利など関係ない。つまり銀行も経済の潤滑剤としての役割を終えているのだ。(p.133)

●「ボーダレス」「サイバー」「マルチプル」の各要素は、いずれもつい20年前まではこの世にほとんど存在しなかった。しかも、目には見えない。だから多くの人はそれに気づかず、古いやり方を続けて失敗しているのである。(p.134)

●日本にはホームレス・マネーが来ない、と述べた。その契機となったのが、ブルドックソースのポイズンピルを認めたあの最高裁判決だといっていいだろう。事実あれ以来、外資は日本の市場に背を向け、世界のマネーはぱったり日本に入ってこなくなった。アメリカ発の金融危機で株式市場が落ち込んだといわれているが、株価の動きを丹念に追っていけば、あの判決が分水嶺であったことは火を見るより明らかなのである。(p.139)

●もちろん政治家は票がほしいから、「いずれ日本経済は回復する」「われわれは2パーセント成長をめざす」とお題目を述べる。しかし、今後も少子高齢化が続くことを考えたら、そんなことは無理に決まっている。毎年40万人ずつ働く人が減っていく国でGDPが上がっていったら、それこそ奇跡だ。現在、日本で公共投資を行えるのは、用地買収の困難さを考えたら地方の僻地(へきち)だけであって、そんなところにいくらお金を投資したところで経済効果など生まれはしない。(p.146)

●このように日本の金融機関は、ふたを開ければ国債しか買っていないのである。国民は銀行や郵貯に預金したと思っているが、じつは間接的に国債を買っていたのだ。つまり、日本国民の金融資産の大半は日本国債なのである。(p.155)

●財政が悲惨な状態にあるにもかかわらず、日本国債の金利が比較的低くすんでいるのも、また円高が続いているのも、いざとなったら政府が国債をデフォルトすることで、国民の個人金融資産と引き換えに債務をチャラにすると市場が思っているからにほかならない。たとえそうなったとしても、おとなしい日本人は文句もいわずそれを受け入れるだろうと、海外のアナリストやトレーダーたちは見ているのだ。では、具体的に日本政府は、どんな手を使って国民の金融資産を奪おうというのだろう。~(中略)~一つはアルゼンチン方式だ。~(中略)~もう一つは、新紙幣の発行。~(中略)~預金封鎖がともなうことも十分に考えられる。(p.156)

●それからインドのアラビンド病院。ここではインドに多い白内障の手術を、わずか15ドルで行っている。白内障に手術には高価な機械が必要で、日本で行えば10万円くらいの費用はかかる。それがなぜ15ドルでできるかというと、医者の勤務シフトを3交代制にして、24時間いつでも手術ができるようにしたからだ。手術時間は一人10分程度だから、相当数の患者を一日で捌くことができる。まさに薄利多売というわけだ。(p.199)

●相続税も期限を区切って撤廃してもよい。アメリカは、2001年から段階的に相続税率を下げ、2010年はゼロにした。2011年からはふたたび35パーセントに戻すという決まりである。~(中略)~日本も5年なら5年と期間を定めて相続税を撤廃することで、高齢者に過剰に貯まって不動化している資産が一気に流動化し、若い世代が消費に向かうので、経済は活性化するにちがいない。(p.204)

●すでに先進国のうちイタリア、オーストラリアなど17カ国は相続税を免除しているが、その最大の理由は、高齢者に貯まりやすい資産を若い世代に譲渡して経済を活性化するという知恵である。(p.205)

●「これを観光の目玉にしよう」という戦略も日本は弱い。ロサンゼルスでアメリカらしいステーキを食べようと思ったら、すぐに頭に浮かぶのがロウリーズ。夜になると、店の駐車場には観光客を乗せたバスが次から次へとやってくる。このロウリーズは1938年創業の老舗で、日本人にもむかしから人気があった。いまは赤坂と梅田にも店を出しているが、ロスに来た日本人が希少価値を感じなくなるといけないからと、日本進出にはかなり慎重だったと聞いている。(p.233)
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