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御立尚資著「使う力~知識とスキルを結果につなげる」
テレビ東京のワールドビジネスサテライトでおなじみの御立(みたち)尚資さん。御立さんの本は『戦略「脳」を鍛える』に続き2冊目です。

まとめとは関係ありませんが、御立さんは落語がお好きなようですね。本分にも落語の話が出てきますし、この本の最後は「お後がよろしいようで。」の一文で締めくくられています。


●図1にあるように、ビジネスリーダーの基本要件は4つの要素から成っている。「人間力」「業界・社内常識」「経営知識」「使う力」の各要素だ。(p.20)

●人がひとりひとり異なるように、リーダーの「人間力」にもさまざまなものがあるが、多くの成功したリーダーに共通しているのは、何かを成し遂げようとする強い「思い」。英語で言えば、アスピレーションという言葉がこれにあてはまる。(p.20)

●何か新しいことを成し遂げようとするとき、社内の誰と誰を巻き込めば、実際に物事が進むか。地道なようだが、これがわかっていないと組織を動かせるはずがない。また、自分の会社をより強くしていく上では、業界内の競合他社と比べて、何が優れていて何が劣っているのかを、きちんと意識していくことがイロハのイとなる。(p.23)

●以前書いた『戦略「脳」を鍛える』(東洋経済新報社)という本では、経営戦略にフォーカスして、定石(「経営知識」)とインサイト(「使う力」)について述べた。(p.32)

●岩波新書に池田潔さんという方が書かれた『自由と規律』という名著がある。イギリス社会を動かすリーダーたちを教育するパブリックスクールの教育システムを描いた本だが、この本のタイトルは、3つのうち2つ、すなわち人を動かす二大要因を見事に言い当てている。(p.53)

●日本語という言語の大きな特徴のひとつは、論理の曖昧さを許容することだ。主語を省き、自分の意見なのか、他の誰かの意見なのか、あるいは「みんなの」意見なのかを曖昧にする。断定的な言い方を避け、聞き手に対して、話し手の意見を押しつけない。(p.62)

●通常のサラリーマン・サラリーウーマンの場合でも、何らかの企画をしていく上で、首尾一貫したロジックで考えを展開していくという能力がどうしても必要となる。さらに、できあがった企画を周囲の人に理解してもらい、実行してもらうためには、他人が容易に理解できる論理構成を作れるかどうかが鍵となる。実行のためのロジカル・シンキングというのは結構重要だ。社員数人の小規模な会社のオーナー社長なら、自分の直感に頼って意思決定をして、「理屈はとにかく、これをやるんだ」と号令をかければよいかもしれない。しかし、大規模な組織を率いるリーダーは、部下から感情と論理の両面で納得を得なければ何も始まらない。組織人という人種は、理解できないことは実行してくれないものだ。(p.63)

●私自身は、コンサルタントになってから読んだバーバラ・ミントの『考える技術・書く技術』(ダイヤモンド社)や、木下是雄著『理科系の作文技術』(中公新書)が役に立った。(p.64)

●ここで言う定量化は、単に数値データの分析ができるということではない。世の中にデータがないような事柄を、知恵を絞って「意思決定に必要な精度で、数値化する」スキルを言う。たとえば、今までにない新製品を世に出そうとするとき、必要な投資が正当化できるだけの売上が見込めるかどうか、という経営課題があったとしよう。そもそも今までにない製品なのだから、シェアや売上を過去のデータから推測することは不可能だ。~(中略)~こういった将来に関わる意思決定をするには、創造力を駆使して、ベスト・ゲス(今できる最善の推定)ベースでの数字を作る必要がある。(p.70)

●たとえば、私自身は、今でもときどき多湖輝さんの『頭の体操』(光文社)を読み返している。(p.73)

●ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)でも採用にあたっては、世の中にない数字を定量化するポテンシャルがあるかどうかをよく見る。たとえば「日本における1年間のトイレットペーパーの消費量はどれくらいか」といった質問を面接のときに投げかけてみるのだ。(p.113)

●とにかく仕事の中では、本や統計に出てこない数字が必要となることはしょっちゅうあるし、みんなが見ているのと同じ数字しか見なければ、そこから新しい切り口の企画が生まれる可能性は低い。(p.114)

●自分の頭の使い方のクセを自覚して、右脳と左脳を意識して使い分けることで、「クリエイティブ・ジャンプ」ができるという話をした。だからクリエイティブ・ジャンプが巧みで、ユニークな発想を苦もなくひねり出す人というのは、頭そのものよりも、頭の使い方がうまいのだと言えるが、実はそういう人は、自分だけでなく他人の頭の使い方もうまい。(p.119)

●唯一解を求めて1年間会議ばかりやっていても、唯一解にたどり着くなんてことはありえないのだし、その間状況は少しも改善されないとしたら、現時点での優位解はこれというのを一ヶ月で出して、さっさと実行に移したほうがよっぽどいいし、そうすべきなのだ。(p.125)

●時間というのはコストだから、必要以上に時間をかければ、それだけ余計なコストがそこに発生する。そういう意識が、多くの人に欠けている。さらに言うと、時間というものは一定以上かけ過ぎると、効用が減ってくる。だからそうなる前にやめて次に行くべきなのだ。(p.126)

●私自身、アメリカの幼稚園で、2歳児がみんなの前で当たり前のようにスピーチするのを目の当たりにして、心底驚いた経験がある。2歳といえばようやく言葉を喋り始める頃だ。それなのに、「家から好きなものを持ってきて、それについて3分間スピーチしなさい」という課題が出されるのである(show and tellという。有名なチャールズ・シュルツの漫画『ピーナッツ』にもよく出てくるので、知っている人も多いだろう)。(p.140)

●「ブレット・ポイントを作る」というのは、言いたいことを5つとか7つとかに絞り込んで、それをA4用紙1枚に、1行ずつ書いてもらう。要は、できる限りシンプルな箇条書きを作る、ということなのだが、欧米人は、ミーティングやスピーチの前には、大抵これを作ってくる。(p.143)

●図表12 ブレット・ポイント
ロングセラー商品Aの新パッケージ提案と予算について
・既存商品Aの前年対比10%ダウンという現状
・従来のターゲットであった20代後半の離脱
・ターゲット層の引き上げ提案
・30代後半に評判のよいタレント○○の抜擢
・パッケージデザインは正反対の赤系統色を使用
・ライバルのいない6月をメドに投入を開始
・そのための予算として3,000万を予定(p.145)

●上司が部下に対して、まったくスキのない完璧な論理構成でもって説得しただけで、部下は上司についていこうという気になるだろうか?私のいるコンサルティングという世界でも、しばしばこの誤謬に陥る人がいる。相手の話にまるで耳を貸さず、自説の正当性をひたすら強調する、これは腕の悪いコンサルタントにしばしば見られる悪しき特徴のひとつでもある。この手の人は、自分の「正しい」意見を説得することが、もっとも大事だと信じ込んでいる。だが、仮にその意見が「正しい」としても、それが本当にビジネスとして結果を生むだろうか。クライアントが行動し、結果を出してくれなければ、コンサルタントの仕事には何の価値もない。(p.148)

●コミュニケーションにおいてはやはり、論理性が高いほうがわかりやすく、説得力が増すのは間違いない。ただし、ロジカル・シンキングは説得の万能薬ではない。むしろ、人を説得するのに論理的思考に頼りすぎるのはかなり危険だというのが、私の持論だ。なぜなら、人間はロジックだけでは決して行動を起こさないからだ。前節でも述べたように、頭で理解できても、感情がそれを許さなければ、人はそう簡単に説得などされないのである。人が行動を起こすかどうかは、論理だけでなく、論理と感情の掛け算によって決まるのだ。(p.149)

●論理の面でも感情の面でも、ファシリテーションをうまく実行して、議論を前に進め、結果につなげていくためには、こういった会議全体をマクロに俯瞰する視点が必要だ。自分が会議の中で、ミクロな議論に参加しつつ、マクロに俯瞰することを、私は「幽体離脱」と呼んでいる。(p.157)

●私は大学を出てすぐに日本航空に入社し、最初の2年間は、大阪空港での切符切りや国際線のアシスタント・パーサーとしての機内サービスといった、現場の仕事をさせてもらった。(p.161)

●また、会社でも、「今は大変だろうけど、あと3年我慢してくれ」などという、根拠のないことを言われたことがあるかもしれない。このように、日本人の中には抜きがたく「苦しむこと=努力すること」という意識が染みついてしまっているような気がしてならない。これは、圧倒的な戦力不足を「精神力でカバーする」という、帝国陸軍以来の伝統と言えるのかも知れない。(p.165)

●私が今まで見てきた素晴らしいビジネスリーダーに共通するのは、自分がすべてにおいて完璧であろうとするのではなく、自分の足りないところを把握した上で、それを部下に補ってもらえるようなチーム作りをしている、ということだ。ほとんどの組織はもちろん、個人で戦うプロフェッショナルなどと言われるコンサルタントですら、実際の活動はチームでやることになる。足りないところがあれば、違ったタイプの人間を入れればいい。(p.170)

●私自身の場合、これも日本航空に勤めていたとき、経営企画部門に配属されてから、自分の足りない部分について、明確に意識するようになった。私は文学部卒で、大学時代もバンドばかりやっていたので、経営企画に必要な基本的知識や能力が全然足りない。会社の中でいろいろな部門を回るうちに、そこそこの知識は身についてきていたが、原価計算に基づいた事業計画作りやマーケティングといった分野については、まったくの素人だった。(p.178)

●優れたビジネスリーダーの中には、自分の目指すことを周囲に宣言してしまう人がいる。「なぜですか」と聞いてみても、「そのほうが何となく実現可能性が高まるから」というように、本人も自覚していない場合も多いが、言霊(ことだま)という言葉があるように、はっきり口に出すことで、ものごとが実現される、という思想は古今東西存在する。口に出してしまえば、実行できなければ恥をかく。こうして、自分に対してプレッシャーをかけるという意味合いは大きい。(p.183)

●私は33歳でビジネス・スクールに留学したのだが、日本人の同級生の中では年齢は上から2番目、しかも、英語圏に住んだのは初めてと、とても楽勝と言えるような状態ではなかった。(p.185)

●欧米人、特にアングロサクソンというのはフェアだな、と感心したのは、こちらが下手くそな英語で、こういったことを言うと、理解しようと一生懸命聞いてくれて、意味があることなら、きちんと評価してくれることだ。(p.187)

●私はBCGの経営に携わるようになったときに、多くのクライアントの方を訪問した。今までコンサルタントとして経営者のサポートをしてきたのだが、ところを変えていざ自分が経営者の立場になったので、今度は、経営者の心得について教えてくださいと聞いて回ったのだ。その際、ある経営者が、それは土日の使い方だ、とおっしゃったのが印象に残った。「土日の片方は徹底的にリラックスする。もう片方で、中長期の課題をゆっくり考える時間を意図的に作る。さらに、それを基にして次に月曜の朝に何をしようかと、次週の仕事の組み立てを考える。これだけで経営者としての立ち上がりはぜんぜん違ってくるよ」と言われたのだ。どんなにがんばっても月曜から金曜は目の前の仕事でいっぱいいっぱいになるし、そうならないとしたら、それは仕事をちゃんとしていないということになる。でも目先のことをやっているだけでは、トップ経営者とは言えない。そこで土日の使い方が重要になってくる、ということだろう。(p.188)

●中長期の目標とは、言ってみれば「夢」のことだから、それを考えるのは楽しくて当然だ。やり方はさまざまで、私の知っている別の経営者の方は、30年の人生目標と10年の会社の方向性を大きな紙に書いて、毎週それを眺めて考えるらしい。(p.190)

●若手からやめたいと相談を受けることもしばしばある。その際、必ず聞くことがある。「何やっているとき一番幸せなの」この質問は、ビジネスパーソンがキャリアを積んでいく上で、何度も何度も自分自身に問わなければならないことだと思う。自分の人生は、自分で生きていくしかない。何か大きな決断をするときに、最終的な決め手となるのは、結局のところ、自分自身が何を楽しめるか、何を幸せと思えるか、ということになる。(p.195)
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