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内田和成著「eエコノミーの企業戦略」
この本は、内田和成さんが2000年に書かれた本です。Amazonは出てきますが、iPhoneやGoogleは出てきません。「なんで今さら読むの?」と言われそうですが、いろいろ考えさせられるものがありました。

●4番目の視点は、先にも述べたように企業のあり方や人々の働き方が変わるという点である。これを見ていくポイントとしては、リアルからバーチャルへ、ロイヤリティ(忠誠心)からスキルへ、管理からプロデュースへなどが挙げられる。まずネットワークが発達した結果、今までのような物理的な管理スパンや固定的なピラミッド型組織は急速に意味を失いつつある。組織のミッションが、有能な人間をいかに効果的に結びつけていくかに変わりつつある。そうなるといかに組織の中に人を囲い込む(すなわちロイヤリティを育成すること)かではなく、能力ある人間をいかに仕事に組み込むかの勝負に変わる。さらに組織がネットワーク型に変わることで、従来の管理職ではない新しいタイプのリーダーが必要とされる。それは、組織のミッションを満たすために必要な経営資源(人、金)を獲得し、プロジェクトのプランを作成し、それを実行管理し、最後の結果責任を負うリーダーである。こうしたリーダーはプロデューサーと呼ぶことができる。(p.5)

●アメリカにプライスラインというインターネット企業がある。プライスラインは、消費者が航空券や自動車を購入する際に一番安い企業を消費者の代わりに探してくれるサービスをしており、英語でリバースオークション(日本では直訳して逆オークション)と呼ばれている。(p.23)

●これは従来型のビジネスでは説明のつかない新しいタイプのビジネスモデルということができる。今までの企業から消費者へものが流れる仕組みをBtoCと呼ぶのであれば、消費者が企業を選択していくという意味においてCtoBとでも呼ぶべき新しい流れである。現にこの逆オークションの仕組みは今までにない革新的な仕組みとして1998年夏に特許を認められている。(p.24)

●やってはいけないのは、みんなで一緒にデファクトを作ろうという試みだ。努力と時間と経営資源を要する割に、見返りが少ないことを肝に銘じるべきである。(p.81)

●もう一つのトロイの木馬型アライアンスの例として挙げられるのは、キヤノンのプリンタ事業である。同社は日本でこそ、レーザープリンタのナンバーワン企業であるが、世界市場ではHP(ヒューレット・パッカード)社が圧倒的首位である。こうした状況の中で、キヤノンはあえてHP社と正面から戦う道を選ばずに、HP社にプリンタの心臓部品であるエンジンを提供する戦略をとった。結果として、キヤノンブランドは表に出ることはほとんどないが、エンジンで見る限りキヤノンは世界一のプリンタメーカーになったわけである。一見、HP社の下請けに成り下がったように見えるが、実際はキヤノンを中心に開発しているため、HP社は製品戦略の根幹を握られているといっても過言ではない。このように、相手の懐深くに入り込んで、最終的には自社製品なくしては、相手先の製品が成り立たないようにすることも十分あり得る戦略である。(p.90)

●マイクロソフトのビル・ゲイツ会長は、一日に数百通の電子メールに目を通し、3分の1くらいのメールに返事を書くという。いわば、一日に100件以上の意思決定を実行していることになる。こうした経営トップと、社内稟議を通しながら一日にほんの数件意思決定できるかどうかの経営トップが、果たして同じ土俵の上で勝負できるだろうか。また、ソフトバンクの孫正義社長は一時数十にわたる事業部門の日次損益計算書を直接自分で見ていたそうである。結果的に、一年で約一万枚の損益計算書を見ることになる。こうした経営者と、一年に一回あるいは一カ月に一回しか損益計算書を見ない経営者とでは、学習効果と対応スピードに大きな差が出ることは想像に難くない。(p.131)

●マイクロソフトでは、ノーという返事をもらわない限り、その案件は先に進めてよい。後から、知らなかった、見なかったは許されない。インテルでも、承認を求める電子メールは、返事がなければ賛成というのが原則だそうである。したがって、新しい試みがどんどん実行されるといわれている。(p.138)

●企業がピラミッド型の組織構造を採用している理由の一つは、人間の管理スパンの問題である。従来型の直接机を並べて働くスタイルでは、一人の人間が管理できる数はせいぜい6~8人程度である。したがって、6~8人を単位に係なり課ができて、係長や課長が誕生する。しかし、ネットワーク型組織では従来の意味での管理スパンは存在しない。組織が異なろうが、物理的に場所が離れていようが、同じ目的のためにチームができ上がり、一人で複数のチームに所属することは当たり前になる。これからの管理職は、自分自身がスペシャリストでなければならない。すなわち部下を管理するのではなく、自分自身が付加価値を生み出す必要がある。そこで求められることは、一言でいえばプロデューサー機能である。(p.157)

●企業にとっての財産は、「組織に属していなくても食っていけるが、その組織にいたほうがおもしろい仕事・大きな仕事ができるから、組織にとどまっている」という人間をどれだけ持てるかであろう。(p.159)

●これからの日本企業が目指すべき方向は「プロフェッショナルが報われる組織へ」である。プロフェッショナルを生かす組織の特徴は以下の通りである。~(中略)~
④どのスキルを磨くかは、あくまでも自己リスクを原則とする(企業がプロフェッショナルの仕事を終生保証することは不可能)。
⑤出入り自由の組織(自分のスキルを最大に買ってくれる組織で働くことが企業・個人双方の幸せ)。~(以下省略)(p.162)

●働きがいの与え方にはいろいろな方法がある。例えば、報奨、チャレンジ・成長の機会、仕事の達成感などである。私は、この中でもっとも重要になるのが、個人の成長の場を企業がどれだけ与えられるかであると思う。(p.164)

●これまでの音楽業界の競争原理は、レコード会社にとってどれだけ優良なミュージシャンを囲い込めるかが第一で、次にマーケティング力と流通チャネル力の戦いであった。ネットワーク時代の新しい競争原理は、ミュージシャンが作り出す音楽の質そのものと、どれだけ効率的な、インターネットを通じた流通網を構築できるかの勝負になると思われる。主役がレコード会社から、ミュージシャンとインターネットサービス会社に移る可能性がある。(p.195)
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