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アル・ライズ、ジャック・トラウト共著「ポジショニング戦略」
Authors:Al Ries & Jack Trout
Title:Positioning
Sub Title:The Battle for Your Mind

本のアップは約2か月ぶり。この本も、いつに読み終わった本だか。5/18にAmazonで購入したから、2か月前くらいに読み終わってたのかな?

最近、読書も読んだ本のブログアップもサボり気味です。。。今、数えてみたら、読み終わっていてアップしていない本は、7冊にもなってしまいました!


●立候補者でも、商品でも、あるいは自分自身でも、長所を人に伝えようと思ったら、ものごとを「反対から」見る習慣をつけること。解決策は、立候補者や商品やあなたの頭の中を探しても見つからない。有権者や消費者など相手の頭の中に求めるのだ。注目するのは、発信する側ではなく、受信する側。人々がメッセージを「どう」受け取るのかに集中するのである。立候補者や商品そのもののありようは関係ない。(p.18)

●「ニューヨーク・タイムズ」のような都市型新聞の日曜版は約2.3キロ、単語数は5万語あまり。アメリカ人の平均的な読書の速度、1分間に300語で読んで約28時間かかる。日曜を丸1日つぶしたうえに、平日の余暇も割かなければ読み切れない計算だ。しかし実際に読まれている記事の量は……?(p.20)

●キリストの「主の祈り」は56語、リンカーンの「ゲティスバーグ演説」は266語、「モーゼの十戒」は297語、「アメリカ独立宣言」は300語。これに対して政府によるキャベツの価格設定の規制文書は2万6911語である。(p.21)

●州レベルでも、毎年25万以上の条例案のうち2万5000が公布され、司法という名の迷宮に飲み込まれている。「そんな条例は知らなかった」という言い訳は通らないはずだが、州議会議員たちは今も、絶対に把握しきれない量の条例を承認しつづけている。万が一自州の条例をすべて把握していたとしても、他の50州の条例との違いまでわかるまい。人々の頭脳のエンジンはオーバーヒートしている。そして、誰もがいらだっている。(p.21)

●情報社会では、コミュニケーション以上に重要なものはない。コミュニケーションさえうまくいけば、すべてがうまくいく。逆に、コミュニケーションがまずければ、何をやっても成功しない。どんなに才能や野心にあふれていても、である。この世の幸運のほとんどは、優れたコミュニケーションの延長戦上にある。幸せになりたかったら、ふさわしい時に、ふさわしい相手に、ふさわしいことを伝えるしかない。(p.27)

●情報社会で成功するには、消費者の頭の中に確固たるポジションを築かねばならない。自社ブランドの長所や短所だけでなく、競合ブランドの長所や短所も計算に入れて。ポジショニング時代を迎えた今、何かを発明したり発見したりするだけでは不十分だ。いや、そんなことは必要ですらない。そうではなくて、消費者の頭の中に最初に入っていくことが不可欠なのだ。(p.33)

●「ファーストクラスといえば、ミケロブです」このコピーで、ミケロブは国産ビールの最高級ブランドというポジションを確立し、高価格にもかかわらず、わずか数年で全米で最も売れるビールとなった。じつはミケロブは、国産ビール初の最高級ブランドではない。だが、ビール好きの頭の中に「最高級ブランド」というポジションを最初に確立したのは、間違いなくミケロブだった。(p.36)

●「対抗」型は、ポジショニング戦略の古典的手法である。もしあなたの会社が市場トップでないなら、ナンバー2に一番乗りすればよい。これも容易ではないが不可能ではない。レンタカーではエイビス、ファストフードではバーガー・キング、コーラではペプシが、この方法で成功している。(p.44)

●成功するポジショニング戦略には、何をおいても一貫性が不可欠だ。見事にポジショニング革命に成功した企業でも、「FWMTS」と呼ばれる罠にはまることがある。Forget what made them successful -、すなわち「成功の理由を忘れてしまう」という罠だ。(p.46)

●繰り返して言おう。あなたが成功したいなら、ライバルのポジションを無視してはいけない。もちろん、自分のポジションを無視するなど言語道断だ。作家ジョーン・ディディオンの不朽の名句を忘れてはならない。「あるがままの自分を演じよ」(p.46)

●我が国の「なせばなる」精神の典型といえば、ベトナム戦争である。この戦争の根底にあったのは、「十分努力すれば実現できないことはない」という発想だったが、どんなに努力しても、どれほど兵士を送っても、多額の予算を投じても、ベトナム問題は解決できなかった。出発点を間違えれば、どんなに頑張っても目的は達成できない。(p.49)

●04章で述べたように、エイビスやセブンアップは、いきなり市場のリーダーをねらうのではなく、独自ポジションを見つけることで発展した。だが多くの企業は、たとえ成功できたとしても、2位以下に甘んじたくないと思っている。彼らはみな、ハーツやコカ・コーラのようなリーダーになりたがるのだ。では、リーダーになるにはどうすればよいか?もうおわかりだろう。「一番乗り」を果たせばいいだけだ。(p.56)

●とくに明白な理由がないかぎり、消費者はいつも同じブランドを選ぶ。(p.58)

●繰り返して言う。「一層の努力」をすべき時期は明白だ。勝負がまだ決まっていない時期、どちらもはっきりとした優位に立っていない時期である。ある1年でトップ争いを制した者は、往々にしてその後の10年も勝利を収めつづける。ジェット機は離陸するときに110%の力を要する。だが、高度1万メートルに到達してしまえば、出力を70%に落としても、時速967キロで飛行しつづけられる。(p.59)

●「私たちはナンバー1です」式の広告がよくないのは、それが心理的に逆効果を与えるからだ。これを見聞きした消費者は、繰り返し主張しなければならないほど不安なのだろうか、と思ってしまう。もちろん、あなたのブランドがナンバー1だと知らない消費者もいる。だが、その場合問題にすべきは、なぜ消費者が知らないのか、である。おそらく、あなたは都合のいい基準で自分をリーダーだと見なしているだけで、消費者の基準ではそう見えていない。(p.60)

●リーダーは、ライバルの動きに保険をかけることで現在のポジションを維持できる。しかし、追う立場にあるものは、保険をかける戦略は使えない。もし真似をすれば、それは保険でもなんでもなく、単なるサル真似で終わる。(p.69)

●多くの商品が相応な売上目標を達成できないのはなぜか?それは「スピード」よりも「よりよい品質」を強調するからだ。ナンバー2の企業のほとんどは、よりよい品質の類似品を出せば成功すると考えるが、実際には、ライバルよりよい商品をつくるだけではダメなのだ。~(中略)~類似品を売り出す企業は、商品の改良に貴重な時間を費やし、広告予算はリーディング・カンパニーよりも少ない。そして、新商品に既存ブランドの名を冠してしまう。市場シェアを素早く獲得するには、そのほうが簡単だからだが、これらはすべて、情報社会では命とりになりかねない失策だ。(p.69)

●フランス語には、ポジショニング戦略をひとことで表す表現がある。「穴を探せ」。穴を探してそこを埋める-、アメリカ的思考に特有の「より大きく、よりよいものを」という哲学とは、真っ向から対立するものだ。(p.70)

●典型的なアメリカ的思考には、この他にもポジショニング戦略を難しくする要素がある。たとえば、アメリカ人は子どもの頃から「ポジティブ・シンキング」をたたきこまれる。これを唱えれば本はたくさん売れるかもしれないが、「穴を探す」能力は破壊される。穴を探すためには、天の邪鬼(あまのじゃく)になる必要がある。みんなが東を目指すとき、穴を探すなら西へ行くこと。(p.70)

●研究部門がどんなに素晴らしい技術を開発しても、消費者の頭の中に入るべき「穴」がなければ失敗する。(p.78)

●マーケティングの専門家の中には、「穴を探せ」というコンセプトを否定する人もいる。彼らは特定のポジションに縛られるのをいやがる。そんなことをすれば、売上に限界を設けることになる、あるいはチャンスが少なくなると考えるからだ。(p.79)

●だが今日、商品の売りこみにおいても、政界においても、明確なポジションを得なければ成功しない。ライバルは多数存在している。敵をつくらず万人ウケを、という戦略では成功できないのだ。(p.79)

●どの市場にも商品があふれかえっている中で、どんな広告キャンペーンを展開すれば消費者の心をつかめるのだろうか?マーケティング戦略の基本中の基本、それは、「ライバルのポジションを崩す」である。入りこめる穴はめったにない。だから、ライバルが既に消費者の頭の中に築いているポジションを変え、自分で穴をつくりだすのだ。言い換えれば、新しいアイディアや商品を消費者の頭の中に持ちこむために、まず古いアイディアや商品を取り除く必要がある、ということだ。(p.80)

●「ポジション崩し」を実践するには、ライバルの商品について消費者が抱いているイメージを変える何かを伝える必要がある。自分の商品ではなく、ライバルの商品について語るのである。(p.83)

●同社は、テレビCMで双方のブランドのラベルを読み上げた。「ワイズのラベルには、ポテト、植物油、塩とあります。プリングルズのラベルには、脱水ポテト、グリセリン、アスコルビン酸、ブチルヒドロキシアニソール、とあります」プリングルスの売上は急落した。シェアは10%に落ち、P&Gの目標だった25%に遠くおよばなくなった。そして調査の結果、プリングルスのポテトチップスに対する最も大きな不満が、「段ボールみたいな味がする」だったと判明した。これはまさに、「グリセリン」や「ブチルヒドロシアニソール」といった単語が消費者に連想させるイメージそのものだった。風味や味覚、美的感覚といったものは、消費者の頭脳がつくりだす。人は、予想外のイメージは抱かない。舌は、こんな味がするのではないかと思った味を感じるのだ。ビーカー入りの二水化酸素をむりやり飲めと言われたら、あなたはおそらくいやだなぁと思うだろう。だが水を1杯飲んでくださいと言われれば、抵抗なく飲むのではないだろうか。じつは両者は同じものである。味の差はまったくない。違うのは、イメージである。(p.85)

●P&Gの広告戦略で最も効果をあげたのは、マウスウォッシュの「スコープ」だ。この商品は、たった2語で、口臭対策の大ヒット商品「リステリン」のポジションを崩してしまった。「薬臭い息」リステリンに大成功をもたらしたコピー「イヤな味でも1日2回の習慣を」を撃破するには、この2語で十分だった。(p.87)

●たとえばマーガリンは、登場して既に数十年が経つが、いまだにバターのまがいものだと思われている。最初にもっとよい名前を選ぶべきだった。どんな名前にかって?もちろん「ソイ(大豆)・バター」である。ピーナツ・バターと同じく、原材料を示す名前だ。「マーガリン」のような原材料がわからない名前は、人をだましているような印象を与えてしまう。(p.98)

●科学者たちは、何年も前にコーン・スターチから甘味料を抽出することに成功したが、商品化されたそれらは、グルコース、コーン・シロップ、ブドウ糖果糖液糖などと呼ばれた。だが、「ブドウ糖果糖液糖」という名前では、甜菜(てんさい)糖や本物の砂糖を模倣した二流品と受け取られても仕方ないと気づいたコーン・シロップの大手サプライヤー、コーンプロダクツは、この甘味料を「コーンシュガー」と呼ぶことにした。これによって、さとうきびやビートと同じ土俵にコーンを置くことができた。~(中略)~そしてマーケティング関係者は、一般名詞の規制を管轄している連邦取引委員会を説得した。「もしこれを砂糖と呼ばせないなら、コーン・シロップ入りのソフトドリンクを『無糖』と呼んでもいいんですね」と。(p.99)

●もうひとつ例をあげれば、4音節のサンフランシスコがSFと呼ばれないのは、サンフランシスコの省略形として、フリスコという2音節の素晴らしい呼び名が存在しているからだ。ニュージャージーの省略形がNJではなくジャージーなのも同じ理由だ。(p.110)

●社名選びで間違いを犯してしまう最大の原因は、役員たちが書類の海の中で生活しているせいだ。手紙、メモ、報告書。コピーの海の中を泳いでいると、頭脳が聴覚に左右されることを忘れがちだ。だが言葉を発するとき、私たちはまず文字を音に置き換える。覚えたての言葉を読むときに唇を動かすのもそのせいだ。子どもはまず「話せる」ようになり、それから「読む」ことを学ぶ。(p.115)

●ゼロックスといえば、コピー機業界のコカ・コーラである。他のコピー機メーカーを聞かれても、すぐには思い出せまい。しばらくして、シャープ、サヴィン、リコー、ロイヤル、キヤノンなどを思い出すのが関の山だろうが、じつはIBMやコダックもコピー機をつくっている。だがこうした企業は、ゼロックスのようなコピー機のポジションを築いていない。これが、ゼロックスの持つ最大の強みだ。どこかの企業がコピー機を購入しようと思ったとき、最初に思い浮かぶのはゼロックスだし、最初に問い合わせるのもたぶんゼロックスだ。(p.165)

●考えてみれば、成功している国や都市の多くは、強烈なイメージを持っている。~(中略)~アムステルダムといえば、チューリップ、レンブラント、美しい運河の風景。フランスといえば、素晴らしい食文化とエッフェル塔、きらびやかなリビエラの保養地。~(中略)~クリーブランドといえば、煙突が並ぶ工場地帯の灰色の風景……。(p.176)

●ミシュランのベネルクス三国用ガイドブックには、「とくに訪れる価値のある」三つ星都市は6都市あり、そのうちの5都市が、なんとベルギー国内にある。ブルージュ、ゲント、アントワープ、ブリュッセル、トゥルネーである。しかしさらに驚くべきは、オランダの三つ星都市がアムステルダムだけということだ。この事実から生まれた広告が、「ベルギーには、アムステルダム5個分の魅力があります」だった。(p.178)

●加えて彼らは、提案された解決法は、どれもあまりにもわかりきったことで受け入れるに値しないと判断した。シンプルなものは、複雑なものほど魅力的ではないのである。(p.230)

●人の頭は、ある商品をひとつのコンセプトに結びつけさせるのさえ困難なのに、複数のコンセプトを結びつけることなどまず不可能だ。ポジショニング戦略の最も難しい点は、売りこみたいコンセプトをひとつに絞りきるところにある。消費者の無関心の壁を突き崩したいなら、何が何でもひとつに絞りきらねばならない。(p.231)

●やってみる価値のあることは、失敗する価値もある。やってみる価値のないことなら、最初から手を出すべきではない。また、やってみる価値のあることでも、完璧にできるようになるまで待っていたり、ぐずぐずしていると、実行の機会を永遠に失ってしまう。失敗を恐れて確実なことしかしないより、何度も挑戦して幾度か成功するほうが、世間の評価は高まるものだ。(p.232)

●大志を抱いた頭脳明晰な人でさえ、将来に不安を覚えることがある。そんなとき、彼らはどうするか?多くの人が、前より必死で働く。長時間、重労働をこなして挽回しようとする。彼らは、成功の秘訣は必死で働いて他人より成果を上げることであり、そうすれば富と名声が手に入ると思っているらしい。しかしそれは間違いだ。前より必死で働いても、成功への道にはならない。本当の秘訣は、前より「賢く」働くことだ。懸命に働けばうまくいく、という素朴な考えに基づいて行動している人は多い。だから必死で働きながら、誰かが魔法の杖で夢をかなえてくれる日を待っている。だが、そんな日はまずやってこない。富と名声への道は、自分の中からは見つからない。これが真実だ。成功する唯一確実な方法、それは勝ち馬に乗ることである。プライドが許さないかもしれないが、自分の能力よりも、他人があなたのために何をしてくれるかが、人生の成功を左右するのである。(p.236)

●あなたの会社はどこに向かっているのだろうか?ぶしつけに言えば、そもそも向かうべき目標を持っている会社だろうか?(p.237)

●あなたがどんなに優秀でも、負け犬と群れていたら成功できない。タイタニック号が沈没したとき、高級船員は下級船員と同じ救命ボートに乗るはめになった。自分ひとりの力ではどうにもならないことがある。もし自分の会社に未来がないとわかったら、新しい会社を探すことだ。(p.237)

●会社選びのコツは、成長産業に賭けること。~(中略)~過去に一時代を築いた商品を手がけた経験がある企業は、まったく斬新な商品に潜むチャンスを見逃すことがあるから注意が必要だ。~(中略)~そしてもうひとつ。転職するときは、今日もらえる給料を聞くだけで終わらないこと。将来どれだけの給料をくれるのか、その見込みも忘れずに聞いておくように。(p.238)

●社外に仕事上の友人を増やせば増やすほど、やりがいがあって報酬もよい仕事につける可能性は高くなる。といっても、ただ友人になるだけではだめで、友情という名の馬はときどき外に連れ出して、運動させてやる必要がある。そうしないと、肝心なときに乗れないからだ。~(中略)~友情という名の馬を走らせたいなら、仕事上の友人とは定期的に連絡をとることだ。相手が興味のありそうな記事の切り抜きや資料を送ってあげる。昇進したらお祝いの手紙を出す。その人について書かれている記事を送ってあげるのもいいアイディアだ。本人は、そうした記事を案外見過ごしていることが多い。喜ばれるにちがいない。(p.240)

●「アイディア」という名の馬に乗るためには、馬鹿にされたり反対されたりするのを覚悟しなければならない。流れに逆らう気概が必要だ。たたかれるのを恐れていては、新しいアイディアやコンセプトは出せない。罵詈雑言(ばりぞうごん)をじっと耐え、時が訪れるのを待つことだ。心理学者のチャールズ・オズグッドも書いている。「強硬かつ執拗な反対を受けるのは、新しい法則が本物である証拠である。どの分野でも、専門家たちは、明らかにナンセンスで簡単に論駁(ろんばく)できるような法則は無視する。だが、論駁が難しく、なおかつ自分たちの名誉のよりどころとなってきた根本的前提に疑問を投げかけるような法則については、必死にあら探しをせざるを得ない」(p.241)

●ポジショニングを実践するには、何から手を着けたらよいか?私たちはつい、問題を見つめ直すことなく解決法探しにかかってしまいがちだ。だが、結論を急がず、自分のビジネスが置かれている状況を順序立ててとらえ直すほうがずっと大事である。その作業を進めるにあたって、以下の6点を自問してみるといい。そうすれば、なにがしかのアイディアが浮かんでくるはずだ。どれも一見単純な質問だが、あなどるなかれ、回答は難しい。頭の中の奥底にある問題を見つめ直し、自分の勇気や信念を問いただすことになるだろう。(p.244)

●問①自社の現在のポジションは? ポジショニングとは、逆転の発想だ。企業の側からでなく、消費者の側から考えねばならない。自社がどんな企業か、ではなく、消費者の頭の中で自社がどんなポジションを築いているかを自問してみてほしい。~(中略)~消費者の頭の中を正しく把握するには、企業のエゴに邪魔されないようにすることが大事だ。「我が社はどんなポジションを築いているのか」に対する答えを求めるべき相手は、マーケティング担当者ではなく、市場の消費者である。多少の費用をかけてでもリサーチすべきだろう。今のうちにどんなライバルが存在しているかを正確に把握しておくことも重要だ。どうにも手の打ちようがなくなってから知るよりずっと役に立つ。狭い視野ではいけない。細部ではなく、全体を見よ。(p.244)

●フォードは、エドセルのポジショニングに失敗した。人々の頭の中の「クロムメッキの中級車」というポジションには、既に別の車があり、エドセルが入りこむ余地などなかったからだ。(p.246)

●私たちはときに欲張って、消費者の頭の中に確立しようもないほどの大きなポジションを求めてしまう。だが大きすぎるポジションは、たとえ確立できたとしても、ナイキルのようなフォーカスを絞った商品が登場すると守りきれなくなる。言うまでもなく、これこそ万人ウケの罠である。(p.246)

●市場のリーダーに真っ向から挑戦するようなポジショニング戦略は失敗する。障害は、乗り越えるのではなく迂回すること。いったん後退し、まだ誰も手にしていないポジションをつかみとるのだ。自分の置かれている状況は、ライバルの視点からもじっくり時間をかけて検討せねばならない。(p.247)

●広告会社のノウハウとは、無知、言い換えれば客観性である。広告会社は、社内事情を知らない。だからこそ、社外の状況をより鋭く見抜ける。社外の状況とは、消費者の頭の中である。広告会社は外側から内側に向かって思考する。これに対して社内の人間は、内から外へ向かって思考しがちである。(p.252)

●変化とは、時という大海における「波」である。波は短期的に動揺と混乱を引き起こすが、長期的には波の下にある「潮流」のほうがずっと重要である。変化に対応するためには、長期的な視野が必要だ。自社の基本ビジネスを定め、そこから離れないことだ。大企業の方向転換は、飛行機の方向転換に似ている。方向を変えるには何マイルも必要なうえに、もし間違った方向に曲がってしまったら、元に戻るのにかなりの時間がかかる。ポジショニングで成功するには、来月、来年、あるいは5年後、10年後に自分の会社がなすべきことを定めねばならない。目先の波に合わせてハンドルを切るのではなく、正しい方向に船首を向けつづけるのだ。(p.258)

●進むべき道を正しく見極めたいなら、一般的な経済動向と自分のビジネスを切り離して考える習慣を身につけることだ。マーケティングのエキスパートの中には、ただ幸運に恵まれただけの人も多い。用心しよう。今日マーケティングの天才としてもてはやされている人物が、明日は生活保護を受ける身になっているかもしれない。忍耐強く。今日正しい決断を下した人に、明日、太陽が輝くのである。正しい方向を見定めてポジションを築いた企業は、変化の潮流にうまく乗り、チャンスをものにするようになる。あなたにそのチャンスが訪れたときには、素早く行動を起こすことを忘れないように。(p.259)

●ポジショニングで最も重要なことのひとつは、商品を客観的に評価し、顧客や消費者の目で商品を見ることである。(p.261)

●本当に役立つのは、わかりきったアイディアだけである。情報社会では、わかりきったアイディア以外は通用しないと言ってもいい。しかし、わかりきったアイディアほど、じつは目につきにくい。GMのボスと呼ばれたケタリングは、デイトンの研究所の壁に、「解決されてしまえば、どんな問題もシンプルだ」という言葉を掲げていた。(p.261)

●「シンプルなコンセプトをシンプルな言葉で」である。どんな問題も、真の解決法はあまりにもシンプルなため、何千人もの人が見過ごしてしまう。しかし本当は、頭がよさそうで複雑なアイディアこそ疑ってかかるべきなのだ。そういうアイディアは、おそらくうまくいかない。(p.262)

●ポジショニング戦略の要諦は、犠牲を払うことにある。独自のポジション確立のためには、何かをあきらめねばならない。夜用風邪薬のナイキルは、昼用風邪薬の市場をあきらめた。~(中略)~ポジショニング戦略では、「小さいことはいいことだ」である場合が多い。ターゲットを小さくしてそれを独占するほうが、大市場をライバル3、4社と分け合うよりもいい。万人ウケをねらいながら強力なポジションを維持することはできないのだ。(p.264)
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