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ダニエル・ゴールマン他著「EQリーダーシップ」
Authors: Daniel Goleman, Richard Boyatzis, Annie McKee
Title: PRIMAL LEADERSHIP
Sub Title: Realizing the Power of Emotional Intelligence

今月もなんとか、自己ノルマの3冊を読み終える事ができました。今回読んだ「EQリーダーシップ」は、前から気になっていた本でした。先日ブックオフで見つけて即買いし、積ん読として棚に置いておいたものです。久しぶりにボリュームたっぷりの備忘録です。


●リーダーの基本的な役割は、良い雰囲気を醸成して集団を導くことである。そのためには、集団に共鳴現象を起こし、最善の資質を引き出してやることが肝要だ。リーダーシップとは、気持ちに訴える仕事なのである。(p.5)

●数ある経営理論の中で本書のユニークな点は、リーダーシップ理論と神経学を関連づけて論じている点だろう。脳の研究が進んだ結果、リーダーの雰囲気や行動が部下に多大なインパクトを与えるメカニズムが見えてきた。また、EQの高いリーダーが部下を鼓舞激励し、情熱を喚起し、高いモチベーションやコミットメントを維持させることのできる理由もあきらかになってきた。一方で、本書は、職場の感情風土(気風)を毒する有害なリーダーシップに対しては警鐘を鳴らす。(p.5)

●これまで長いあいだ、感情の問題は組織の理性的運用を乱す雑音とみなされてきた。しかし、ビジネスから感情を切り捨てる時代は終わったのだ。今日、世界中の組織がなすべきは、EQリーダーシップの価値を再認識し、こころの共鳴を起こせるリーダーを育て、従業員の力を引き出すことである。(p.7)

●自分が組織の中でいちばん一緒に働きたいと思うリーダーを思い浮かべてみてほしい。その人には、きっと快活な空気を発散する能力が備わっているはずだ。EQの高いリーダーの周囲に才能のある人々がこぞって集まるのは、ひとつにはこうした理由があるからだ。反対に、気難しく横柄で冷たいリーダーからは、人が離れていく。不機嫌なボスの下で働きたいと思う人などいないからだ。(p.25)

●EQリーダーシップには、部下に不必要な動揺を与えることなしにプレッシャーをかけて必要なレベルの仕事を達成させる、といった技量も含まれているのだ。ただし、不安や心配が適度なレベルをこえると知的能力を阻害することは、昔から知られている心理学の常識だ。苦痛は、「考える知性」だけでなく「感じる知性」も阻害する。自分が動揺しているときには他人の感情を読み取るどころではなくなるので、基礎的な共感能力が落ち、結果的に社会的スキルが低下するのだ。(p.28)

●メリーランド州立大学のベンジャミン・シュナイダー教授は、銀行の支店、保険会社の地方営業所、クレジットカードのコールセンター、病院など、さまざまな業務にわたって調査をおこなった結果、従業員による自社のサービス志向の評価を見れば、顧客の満足度ひいては会社の業績まで予測できることがわかった。同様に、最前線の顧客サービス部門でモラールが低下していると、それが3年以内に高い労働移動率や顧客の満足度低下となって現われてくる。顧客の満足度が低下すると、それが3ヶ月後に収益の低下につながる。(p.31)

●リーダーは人々にモチベーションを与え、方向を示し、意欲をかりたて、話を聞き、説得し、そして何より共鳴を引き起こすことによってビジョンを実現していく。(p.44)

●ビジネスの世界は感情抜きの知性を重視したがるが、人間の感情は知性よりも強い。非常事態が起こったとき、脳をコントロールするのは、情動をつかさどる脳(大脳辺縁系)なのだ。(p.44)

●自己認識の優れたリーダーは、自分の価値観、目標、夢なども理解している。~(中略)~たとえば、経済的には魅力があるが自分の主義主張や長期的な目標に合わない仕事を断る強さを持っている。(p.57)

●自己認識に優れた人は、たいてい自分一人で思索する時間を持ち、よく考えてから行動に移る。衝動的な対応をしない。実際、傑出したリーダーの多くが、仕事の合い間に自己省察の時間を設けている。(p.59)

●データが膨大になりすぎ、将来を読み取りにくくなってきたからこそ、リーダーにとって直観の冴えが一層大切になっている。~(中略)~企業トップの役割として過去に投資するよりも未来を創造することが強調されるようになった今日、以前にも増してビジョンが重要になってきている。ビジョンには、データを超越した部分で直観的に判断する能力も必要だ。反面、直観だけでは判断を誤ることもある。データを検討したうえで直観に耳を傾ける、というのがいちばん良いようだ。(p.62)

●感情は非常に伝染しやすく、とくにリーダーの感情はメンバーに伝わりやすいので、リーダーの第一の課題は感情面の「衛生管理」に努めること、すなわち自分の感情をしっかり管理することだ。自分の感情も管理できないようなリーダーに、他人の感情を導くことはできない。~(中略)~怒りをすぐにぶちまけるリーダー、小さなことで大騒ぎするリーダー、有害な感情にとらわれてセルフ・コントロールを失うリーダーでは、集団の感情を良い方向へ導くことはできない。(p.66)

●自己管理は、企業競争力の点からも重要だ。現在のように企業が合併分裂を繰り返し、テクノロジーの進歩が仕事を日々変えていくような先の見えにくい時代には、自分の感情をコントロールできるリーダーのほうが変化に強く、組織を調整していく能力にも優れている。~(中略)~自分の気持ち、信念、行動を正直に見せる「透明」なリーダーは、誠実なリーダーだ。誠実さとは、衝動をコントロールし、後悔するような行動に走らないことだ。誠実さとは、また、自分の価値観を守って生きるということだ。そういうリーダーは本物だ。(p.67)

●結局、リーダーとして最も責任ある行動とは、自分の精神状態をコントロールすることだ。最近よく聞く「クール」という言葉は、もともとアフリカ系アメリカ人のジャズ・ミュージシャンが当時の人種差別に対する激しい怒りを音楽にぶつけながらも社会的には激情をコントロールしている姿勢をさして使われたものだ。リーダーにも、前向きの感情を存分に表現する一方で、荒れ狂う負の感情をコントロールする能力が求められる。(p.68)

●優秀な人材を育て確保しておくのにリーダーの共感能力が必要であることは昔から変わりないが、優れた才能が引っ張りだこの今日においては、その重要性はますます高まっている。共感能力に欠けるリーダーは、才能ある人材が大切な情報とともに会社を離れていく主要な原因のひとつとなっている。(p.71)

●社会的スキルの優れたリーダーには、広範な人々と共鳴を共有したり共通の動機を見つけてラポールを形成することに長けた人物が多い。だからといって、彼らは社交ばかりしているわけではない。ただ、重要なことは独力では達成しえないという前提をわかったうえで仕事をしている、ということだ。そういうリーダーは、行動を起こすべき局面が到来する時までに、すでに必要な人間関係を作っている。電子メールや電話を使って遠くの相手と仕事をする機会がますます多くなる時代においては、人間関係の構築がこれまでになく重要になる。(p.72)

●ビジョン型リーダーにとっては、EQコンピテンシーの中でも「共感」が最も重要になる。他者の気持ちを汲み他者の視点を理解する能力があってこそ、部下たちを心から奮いたたせるビジョンを表明することができるのだ。人の気持ちが読めないリーダーは、部下を奮いたたせることはできない。ビジョン型のリーダーシップには前向きのインパクトがあるので、いろいろな状況に適用することができるが、とくに組織が目標を失って再建策や新ビジョンを必要とする状態にあるときに有効だ。~(中略)~ビジョン型リーダーシップは効果的ではあるが、万能ではない。たとえば、チームのメンバーのほうがリーダーよりも経験や専門知識に優れている場合。リーダーが壮大なビジョンを説明しても、大げさで時代遅れに聞こえるだけだ。そういう失敗は冷笑を招き、業績が下がる。もうひとつは、リーダーがビジョンを示すつもりで強圧的になってしまう場合。チームの平等精神が蝕(むしば)まれる。(p.83)

●現在のようにプレッシャーと時間に追われる時代には、コーチをする時間など作れないと言うリーダーが多い。が、このスタイルを無視することで、彼らはリーダーとしての強力な武器を放棄していることになる。(p.84)

●どんな業界においても、優秀な人材ならば出来の悪い上司のもとで我慢する必要などないからだ。会社を辞める理由の中で最も多いのは、上司に対する不満だ。労働力需給が逼迫(ひっぱく)している状況下では、才能がある人材の場合、上司に不満を抱いている労働者の転職率は上司に満足している労働者の転職率の4倍にものぼる。~(中略)~「就職の決め手は会社、辞職の決め手は上司である」と、データを分析したギャラップ社のマーカス・バッキンガムは結論づけている。(p.112)

●リーダーにとって大切なのは、自分のEQの中で不足している分野を自覚することだろう。逆説的だが、組織の中で地位が上がれば上がるほど、この種のフィードバックは重要になる。(p.124)

●自分の人生において重要だと思う領域を考えてみましょう。たとえば、家族、人間関係、仕事、精神性、健康など。それぞれの領域であなたにとって最も重要な価値観は何でしょうか。仕事や人生において、あなたの指針となっている根本原則を五つか六つ考えてみてください。それらは、あなたにとってほんとうに意味のある価値観でしょうか。それとも、ただ口に出してみるだけの言葉でしょうか。~(中略)~この演習は、実際にやってみると思ったより難しいはずです。というのも、人間は、明日までに、来週までに、来月までに「やらなくてはならないこと」のほうを先に考えてしまうからです。けれども、近い先に焦点を合わせていては、緊急なことが見えるだけで、大切なことは見えません。遠い先に焦点を合わせて考えると(たとえば、死ぬまでに何をしておきたいか)、新しい可能性の世界が開けてくるものです。(p.160)

人の夢や希望はキャリアにつれて変化し、人生や仕事において大切だと思うことも変わっていく。同様に、「理想の自分」も人生につれて多面化していく。~(中略)~自分の夢や大切なことが変化しているのに、それを無視して同じことを続けていれば、進むべき道を誤る可能性もある。中年にさしかかったリーダーが突然辞任を表明して他の仕事に移るのは、こうした理由が多い。目標としてきたことをほぼ達成したとき、リーダーはそれまでの仕事に熱意をもてなくなり、新たなエネルギーをかきたててくれる新しい理想を求める。(p.161)

●リーダーとして十分に力を発揮するためには、自分を取り巻く情報フィルターに風穴を開けなくてはならない。リーダーに向かって「やり方が厳しすぎる」とか「もっとビジョンを示してほしい」とか「もっと民主的にやってほしい」などと声を上げる人間は、ほとんどいない。だからこそ、リーダーは自分から真実を求めなければならないのだ。(p.172)

●「わたしは目標を立てたことがありません。キャリアについても、プライベートな人生についても。でも、何をやるにしても、自分が大切だと思っているラインからはずれないようにやってきました」将来の計画をどのように立てているか、というわれわれの質問に、ある起業家はこう答えた。~(中略)~この起業家は自分にとって何が大切か(価値観、信条、人生観など)をはっきりと把握しており、その上に立って将来のことを考えていた。彼の予定表には特定の目標(ある仕事に就く、など)はないが、決断を下す際の指針はあった。彼はレベルの高い自己認識と好機を見逃さない眼力を頼りに人生を歩んでいた。(p.188)

●個人の場合、人生の夢や理想像を自覚したときにモチベーションが最も高まる。将来のビジョンが見えてくると、自分の行動パターンを変えようとするエネルギーやコミットメントが湧いてくる。しかし、集団にとって、理想のビジョンはしばしば遠い概念でしかなく、変化を促すモチベーションとしては不十分な場合が多い。企業の社訓が良い例だ。高邁な言葉は、従業員の日常から遠くかけ離れたものに感じられてしまう。(p.218)

●たとえば、毎年アメリカの病院では推定十万人が医療ミスで命を落としている。それも、医師が処方箋を書きまちがえたとか、点滴に入れる薬をまちがえた、などのありふれたミスだ。医療施設にありがちな命令管理型の文化を自覚して改めるだけで防げるミスばかりだ。この問題を扱う医療アカデミーで対策委員会の委員を務める医師が語る。「病院の文化では、たとえば処方箋のゼロがひとつ多いなどと看護師がドクターの誤りを指摘しようものなら、即クビですよ。もし医療の世界がが航空機整備と同じようにミス根絶の基準を採用したら、医療過誤は劇的に減ると思いますよ」(p.243)

●変革が人々の心にほんとうに浸透するには「同調」-整列プラス共鳴で、頭でも心でも受容すること-が必要なのだ。人々の心をビジョンに同調させ、さらにビジネス戦略に同調させて情熱を引き出すことが、リーダーの目標なのだ。EQの高いリーダーならば、人々の同調を得るためには単に戦略を周知徹底させるだけでは不十分だとわかっているはずだ。同調を得るためには、感情に直接訴えることが必要なのだ。(p.261)

●大多数のリーダーにとって、さらにマネジャーにとって、重要なのは戦略を念押しすることではない。さらなる五年計画でもないし、ありふれたリーダーシップ・プログラムでもない。大切なのは、仕事や戦略やビジョンへの情熱を見出すこと、そして、意味のある将来を見つけるために情と知の力を動員することだ。(p.293)

●人は、十分な理由があれば変化することができるし、変化しようとする。リーダーシップの役割は、何をどう変えたいかが見えるところまで人々を導くことだ。(p.303)
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