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マルコム・グラッドウェル著「急に売れ始めるにはワケがある」
Author: Malcolm Gladwell
Title: The Tipping Point
Sub Title: How Little Things Can Make a Big Difference

マルコム・グラッドウェルの本は、6月12日の『第1感「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』、7月11日の『天才! 成功する人々の法則』に続いて3冊目です。

が、実はこの本を一番最初に読みたかったのです。zuKaoはずーっと『ティッピング・ポイント』という書籍名で探していたのですが、そのタイトルの本は絶版になっていてあきらめていたのです。そしたら、こんな変な邦題で再販されていたのです。英文のTitleにもSub Titleからも、こんな邦題は出てこないと思うのですが。。。まぁ、読めたので「よし」としましょう。

期待が高かったせいか、マルコム・グラッドウェルの特徴なのか、途中は例示がおおく冗長な印象も受けましたが、色々と新たな知見が得られて面白かったです。p.194は、先日読んだ『無責任の構造』にも通じる部分がありましたね。




●ある地点を過ぎると、一気に何かが傾いた(tipped)のである。いったい何が起こったのか。たった二年間で、一足30ドルの靴が流行の先端を行くマンハッタンの一握りの若者から高級ファッションのデザイナーへ、そして全米の男性へと伝播(でんぱ)していったのは、どういうわけなのか?(p.14)

●なんらかの感染現象において、すべてが一気に変化する劇的な瞬間を、本書ではティッピング・ポイントと呼んでいる。(p.20)

●感染ではメッセンジャーが重要な役割を果たす。伝播させるのはメッセンジャーなのだ。しかし、言うまでもなくメッセージの内容も重要である。そして、そこで問われるべきメッセージの特別な性質こそが「粘り」なのである。そのメッセージは-あるいは食べ物でも、映画でも、製品でもかまわない-記憶に残るか?変化を生み出すほど、誰かに行動をうながすほど、記憶に残りやすいか?(p.129)

●現代社会は、人の注意を惹こうと躍起になっている人であふれかえっている。~(中略)~こういう情報過多の状態を、広告業界では「くず(クラッター)」問題と称している。くずのような情報が山積しているために、一つのメッセージに粘りを持たせることがますますむずかしくなっているのである。~(中略)~わたしたちは、読んだり見たり聞いたりしていることの大半を憶えていない。情報時代は、情報の粘りという問題を生み出した。(p.138)

●誰しも、人に強い印象を与えるための鍵は、提示するアイディアに一貫して備わっている品質にあると思いたがる。だが、ここで紹介した例では、どれ一つとして、内容そのものが本質的に変わっているわけではない。そうではなく、いわば余白の部分で提示方法にちょっとした工夫を加えることでメッセージを一気に伝播させたのである。~(中略)~レヴァンタールは、学生に破傷風の注射を受けさせるために、さらに恐怖をあおったりしなかった。ただ地図と診療時間を加えただけだった。(p.180)

●1980年代のニューヨーク市は、史上最悪の犯罪伝染病にかかっていた。ところがその後、突然なんの前触れもなく伝染病は収束したのだ。1990年を頂点として、犯罪率は急激に傾く。殺人事件は三分の二も減少した。重罪事件は半分になった。この時期、他の都市でも犯罪件数は減っている。しかし、これほど大きく速やかな落下現象を示した都市はほかにない。(p.189)

●この「割れた窓」理論は、犯罪学者のジェームズ・Q・ウィルソンとジョージ・ケリングが発案したものである。ウィルソンとケリングは、犯罪は無秩序の不可避的な結果だと主張した。割れたまま修理されていない窓のそばを通りかかった人は、誰も気にしていないし、誰も責任をとっていないと思うだろう。まもなくほかの窓も割れる。すると無法状態の雰囲気がたちまちそのビルから向かいの通りへと伝わり、ここではなんでも許されるという信号を発しはじめる。~(中略)~犯罪は自殺や喫煙と同じように感染的であり、一枚の割れた窓から全地域に広がっていくことがありうる。しかし、この場合のティッピング・ポイントは特殊な人物-ロイス・ワイスバーグのようなコネクターとか、マーク・アルパートのようなメイヴンとか-から始まるのではない。落書きのような物理的なものから始まるのだ。ある特定の行動を誘発する刺激は、ある特定の人物から発せられるのではなく、ある環境の特殊条件からやってくるのだ。(p.194)

環境のなかのティッピング・ポイントは変えることができる。割れた窓を修理し、落書きを消せば、最初の犯罪を誘発するシグナルを変えることができるのだ。~(中略)~子供の変化を決定するのは家族の影響よりも、友達や地域の影響のほうが大きいというジュディス・ハリスの主張には説得力がある。青少年の非行問題や高校の退学率に関する各種の調査報告を読むと、地域環境は良いが家庭環境に問題のある子供と、家庭環境はいいが地域環境に問題がある子供を比べると、前者のほうがよく育つという。~(中略)~子供たちは外部環境に大きく左右されている、自分と肌を接する社会的・物理的世界-毎日歩いている街路とか、そこで出会う人々とか-の様々な要因が、人の性格や行動を決めるにあたって大きな役割をはたしている、そう言っているにすぎない。(p.226)

●会社を一体化させるために-社の特殊な方針を従業員全体に行き渡らせるために-ゴアではむしろ、なかば独立した小さな部分に分割する必要に迫られた。これは感染のパラドックスだ感染的な運動を生み出すには、まず最初に小さな運動体をたくさんつくらなければならない場合が往々にしてあるということだ。(p.258)

●伝播研究の用語では、1930年代初頭に新品種を使いはじめた非常に進取の気象に富む農家を導入者(イノヴェーター)と呼んでいる。これに触発されて使いはじめた農家の一群は初期採用者と呼ばれる。彼らはその地方のオピニオン・リーダーであり、最初期の無謀な導入者のしていることを観察、分析したうえで追従する思慮深い人々である。そして、1936年、37年、38年には採用農家が急増する。これらは初期多数派後期多数派と呼ばれる慎重かつ疑り深い集団で、初期採用者が手をつけるまでは何事にも及び腰の人々である。この多数派が新品種のウィルスにかかると、最後にようやく出遅れ(ラガード)と呼ばれる、もっとも保守的で、変革が急務である理由がまるでわからないグループに感染する。この過程をグラフに表してみると、完璧な感染曲線を描くことがわかるだろう。最初はゆっくりと、そして初期採用者が新種を使いはじめるとティッピング・ポイントを迎え、それが多数派をとらえると急激に上昇カーブを描き、やがて下降線を描いて出遅れたちのすそ野に散らばっていく。(p.265)

●「先見性のある小企業の目的は飛躍的前進を遂げることにあるが、実際家である大企業の目的は勝ち目のある変革-穏やかで節度のある予測可能な進歩-を遂げるところにある」とムーアは書いている。~(中略)~ムーアの主張では、初期採用者初期多数派の態度は根本的に相容れない。新しい変革の波は、あるグループから隣のグループへすんなりと移行していくものではない。両者の間には大きな亀裂がある。(p.266)

●あなたの周囲の世界を眺めてほしい。それは向上する余地のない、がんじがらめの場所に見えるかもしれない。だが、そうではない。ちょっと正しい場所を押してやれば、傾くのだ。(p.346)
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