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出井伸之著「日本大転換」
出井さんの本は、「日本進化論」、「ONとOFF」に続き3冊目ですね。英文の本の後だったせいか、サクサクと2日で読み終わってしまいました。



●新しい秩序のもと、環太平洋アジア経済圏の確立に向けて、日本は中核国としての役割を果たすべきなのだ。それには日本が世界から信頼される国になる必要がある。そのために日本が目指すべき方向性として、私は「平和国家」「環境国家」「文化国家」の三つを挙げたい。この三つの要素を維持、発展させることこそ、日本が世界に示しうる価値だと思う。(p.7)

●現在は、20世紀を支配した産業構造が限界を迎え、21世紀型産業構造の創出が始まりつつある"時代の変革期"だ。私たちはこれまでの秩序、産業構造をリセットして、未来に向けたビジョンを再定義しなければならない。(p.9)

●アジア救済と環境危機への対応は、今や国際社会の中で「必要とされない国」になりつつある日本の存在感を示すことになる。そして新たな輸出産業の創出になると同時に、失われた活力と自信を日本に取り戻すことにつながるはずだ。(p.10)

●今、世界で最も沸騰(ふっとう)している都市はどこだろうか。~(中略)~勢いづく中国の都市の中でも、ひときわパワフルな熱を発しているのは天津市である。北京郊外の港湾に位置する天津を、世界的な経済都市として意識している日本人は、まだ数少ないだろう。(p.24)

●私の中に浮かんできた言葉がある。「ユナイテッド・ステーツ・オブ・チャイナ」。つまり「チャイニーズ・台北」(台湾)と「チャイナ・ホンコン」(香港)、そして「ピープルズ・リパブリック・オブ・チャイナ」(中華人民共和国)を合わせて「ユナイテッド・ステーツ・オブ・チャイナ」、すなわち「チャイナ連邦」というかたちでこれから動いていく、と中国が宣言しているように感じたのである。(p.28)

●アメリカと中国との関係を考える際に注意すべき点は、両国はお金という価値で強く結ばれているということだ。中国はアメリカドルに対して莫大な投資をしてきた。中国は多額のアメリカ国債に加え、さまざまな債権も有している。中国は今や日本を抜いて最大の米国債保有国だ。(p.31)

●北京オリンピックに行った際、テロに対する厳重な警戒に驚かされたが、09年6月に訪中したときは、テロに対する警戒はオリンピック時よりもさらに強まっているように感じた。中国を訪れると、この大国が今、非常に緊張していることが実感としてわかる。(p.46)

●経済成長が著しいBRIICs諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国のBRICsに、成長加速の目覚ましいインドネシアを加えブリークスと読む)をはじめとする新興国、発展途上国も、労働力の安さを強みに、これから順次発展を遂げていくに違いない。(p.56)

●日本では「官民一体」へのマイナスイメージが刷り込まれているが、現在、日本以外を見回して官民が一体となって産業を推進させていない国を見つける方が難しい。(p.64)

●アメリカ人から教えられた知恵がある。「危機」という漢字には二つの意味が潜んでいるという。危険を示す「危」と、機会を示す「機」。漢字の「危機」にはピンチとチャンスが同居している。「なんと漢字文化は奥深いのか」とアメリカ人は感嘆していた。では、日本人はどれほどその「奥深さ」に気づいているだろうか。(p.67)

●EXILEは、自らの会社を拠点に、ダンススクールや劇団、アニメ、月刊誌、料理店など次々と活躍のジャンルを広げている。~(中略)~戦略的にも、子どもたちをダンサーに起用するなどして、その父母の世代を含む幅広い層にアピールし、14人というスケールで組織に柔軟性と開放性を持たせている。他方では未来を見据えて台湾でダンススクールを運営するなど、アジアというマーケットに目を向けた先見性を持っている。(p.71)

●その点、09年春、中国とシンガポールの共同プロジェクトとして始まった環境配慮型都市「天津エコシティ」構想は、今後の都市発展のモデルケースになりうるだろう。計画によれば、面積は約30ヘクタール。建物や道路といったインフラは、すべて省エネと環境保護の視点から設計される。~(中略)~"都市インフラ"を輸出産業に仕立てようとするときに、最も必要なのは環境対応型の建物でも製品でもない。天津エコシティに見られるように、都市全体を循環型に統合する理念。そして、それを技術的に裏付ける、パソコンでいえば、基本ソフトのOSに当たる「エコシティOS」とも呼べるものだ。(p.98)

●SUSHIは今や世界共通の食となりながら、その一方で、米の品質・炊き方から、にぎり方、具材、味付けにいたるまで、現地の特産品や嗜好が反映され、さまざまにアレンジされながら、その土地ごとの特色を打ち出している。それに比べると、マクドナルドは世界中どの国に行っても、値段こそ違えビッグマックはビッグマック。~(中略)~マクドナルドと寿司の展開の違いは、対極に位置するビジネスモデルといっていいだろう。~(中略)~そもそも日本国内においても、寿司はお店や地域によってさまざまな味を楽しむことができる食だった。その地元に特化していることに魅力があり、ローカルであることにこそ強みがある。(p.122)

●私は若い時から、一人だけ反対意見を述べる役回りを期待されていたが、日本の社会はよほどのことがない限り、安定を崩す者は秩序の紊乱者(びんらんしゃ)として異端視される。組織の中でも100人いれば、99人が安定を求めるが、安定だけで組織は立ちゆかない。白い羊の中で一人は黒い羊役を買って出なければならないのだ。~(中略)~日本を見直して、長所といわれてきた特徴が実は短所であったり、その逆も大いにありうる。求められるのは複眼的思考である。(p.150)

●同じアジアでも、たとえば中国ほどアメリカに似ている国はないと私は思う。競争やギャンブルが大好きで、弱肉強食、大きさや物量で勝負する。中国は実は最も資本主義的な国かもしれない。ユダヤと華僑が商才に長けているのは、両国の近似性を裏付けている。(p.152)

●ソニーのウォークマンが世界中に音楽を持ち出したのと同じように、サーバーの持ち歩きを可能にするアプリケーションが、サーバーズマンだ。(p.162)

●インターネットの普及によって、情報は個人へと拡散し、あらゆるものが均質化していき、エントロピーが増大していった。企業でいえば、知識やノウハウがどんどん個人に移行している状態を示す。今は国家や企業、地域といったあらゆる組織が求心力を失っているのである。すべての秩序、構造が壊され、個人ユニットになった状態を、松井先生は「人間ビッグバン」と呼ぶ。私たちが生きている時代とは、そうした構造変化が起きている時代といえる。求心力が強い時代、すなわち新しい構造が生まれている時代には、その求心力に身を任せることで新しい秩序は形成されていった。しかし、求心力が弱まると、求心力から飛び出す個人の遠心力が強まってくる。(p.166)

●混沌と無秩序が進む世の中で、私たちはどうすればいいのか。それは一人ひとりに突きつけられた問いでもある。松井先生は「自己を確立するしかない」と言う。情報拡散による均質化を防ぐためには、自分という存在の中に情報をつくり出す。つまり、他人との差異こそが新しい情報を生む土壌になる。(p.172)

●時代を制する個人は何を見ているか。現在、私の周りで創造性を発揮している個人は、国家や言葉などの枠にとらわれず、変化の予兆を捉え、次への行動を起こしている。前述の「サーバーズマン」を立ち上げたフリービットの石田宏樹さんは、アジア、中国進出を果たした。(p.175)
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