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トーマス・フリードマン著「レクサスとオリーブの木(上)」
Author: Thomas L. Friedman
Title: THE LEXUS AND THE OLIVE TREE
Sub Title: Understanding Globalization

副題は「グローバリゼーションの正体」。トーマス・フリードマンの本は、「フラット化する世界(上)」に続いて2冊目です。この本(日本語版)の第1刷は、2000年2月25日(原本は1999年)。p.36を読んで気付いたのですが、2001年9月11日の前ですね。



●1990年代後半、世界じゅうに独自のネットワークを持つサウジアラビアの億万長者オサマ・ビン・ラデンが、アメリカに宣戦を布告した。これに対し、アメリカ空軍は、まるでラデンがひとつの国家ででもあるように、巡航ミサイルによる攻撃を行なわざるをえなくなった。超大国の軍隊が一個人に向けて、巡航ミサイルを発射したのだ!(p.36)

●イェール大学の国際関係史学者ポール・ケネディとジョン・ルイス・ギャディスは、次の世代をになうアメリカ人戦略家を育成することが、職務のひとつだと考えている。~(中略)~ふたりはこう書いている。「こういった個別主義者は、一枚の絵を構成する一部分を理解することにはたけているが、全体を見るのは苦手である。ものごとを優先順位に沿って整理し、それぞれを同じときに別個に追求するのは得意でも、ひとつがほかをどう蝕んでいるかについては、ほとんど考えようとしない。彼らは自信たっぷりに木から木へと移動し、結局、森のなかで迷子になって驚いているようだ。過去の偉大な戦略家は、木を見ると同時に森も見ることができた。そういう人物は専門家(スペシヤリスト)ではなく万能家(ゼネラリスト)であり、生態学的視野を有していた。世界がひとつのネットワークであること、つまり、こちらで何かひとつ修正事項が起こると、必ずその影響が向こうの端にまで及ぶことや、すべては相互に密接にからみ合っていることを理解していた。しかし、現代のゼネラリストはどこにいるのだろう?(p.49)

●ある日の午後、ゴールドマン・サックス・インターナショナルの副会長ロバート・ホーマッツと話をしていたとき、そのことに触れてみた。~(中略)~「グローバル化を理解し、説明するには、自分自身を知性の遊牧民と考えればいい。遊牧民の世界では、念入りに境界線を引いて自分のテリトリーをはっきりさせるということがない。だからこそ、遊牧民のなかで、ユダヤ教とイスラム教という一神教が育ったのだ。定住民族なら、この岩、あるいはあの木にまつわるさまざまな神話を創造し、神はこの岩に、あるいはあの木に宿っておられると考えただろう。しかし遊牧民は常に、定住民の世界より広い世界に触れてきた。彼らは、神が特定の岩には宿っていないことを知っていた。神はあらゆる場所に存在する。遊牧民は、たき火を囲み、オアシスからオアシスへと移動しながら、この複雑な事実を、簡単な逸話によって伝えてきたのだ」(p.51)

●ゲルマンの講義をさらに引用する。「システム全体を真剣に、専門的に俯瞰することを重要と考える人々が、大勢現われる必要がある。俯瞰図は、おおざっぱなものでなければならない。なぜなら、俯瞰図を描いたその人物には、その図のなかの各部分、あるいは各部分の相互の関連性を完全に掌握することが不可能だからだ。~(中略)~わたしたちは単一の分野の専門家を育成することばかり学ぶのではなく、次元の違うものごとのあいだに働く強烈な相互作用と、その結びつきを見抜き、それから全体を俯瞰する専門家を育成することも学ばねばならない。(p.54)

●きょう見学したばかりのレクサスの工場を作り、今乗っているこの電車を作った日本人は、ロボットを使って世界最高級の車を生産している。一方、ヘラルド・トリビューンの第三面のトップには、わたしがベイルートやエルサレムで長年いっしょに暮らした人々、よく知っている人々が、いまだにどのオリーブの木が誰のものかをめぐって争っているとある。ふいに、レクサスとオリーブの木は、冷戦後の時代にじつにぴったりの象徴ではないかと思った。どうやら、世界の国の半分は冷戦を抜け出して、よりよいレクサスを作ろうと近代化路線をひた走り、グローバル化システムのなかで成功するために躍起になって経済を合理化し、民営化を進めている。ところが、世界の残り半分-ときには、ひとつの国の半分、ひとりの個人の半分、ということもある-は、いまだにオリーブの木の所有権をめぐって戦いをくり返しているのだ。(p.58)

レクサスとオリーブの木が勢力バランスを保っている例として、わたしがバーレーンからロンドンに移動するときに使った、ガルフ・エアが挙げられる。ガルフ・エアは、機体のアンテナで全方位即位システム(GPS)の衛星を捕捉し、ビジネス・クラスのテレビ・チャンネルのひとつで、イスラム教の聖地と飛行機の正確な位置関係を示した。画面上の白い点が飛行機を表わしていて、方向を変えるたびに動く。これによって、メッカに向かって一日五回礼拝することを戒律で定められているイスラム教徒の乗客は、どちらに向かって祈りを捧げればいいか、いつでも見当をつけることができ、安心して機内で礼拝用の敷物を広げられる。空の旅の間、わたしは近くの座席の乗客が5、6人、機内の狭い調理室にぎゅう詰めになって祈りの儀式を行なうのを見た。(p.67)

●日本の国内企業が総じて遅れている最大の理由に、1990年代後半になるまで、金融がまったく民主化されなかったことが挙げられる。~(中略)~そのうえ日本人労働者には、年金の選択肢がほとんどなく、自分で管理できる部分もほとんどなかった。自分の年金をあちこちで運用する自由が労働者になかったせいで、日本の国内企業、投資信託、年金基金は、グローバルな水準に追いつけ追い越せとはっぱをかけられることも少なかった。このために、日本経済は温室育ちとなり、シュンペーターの創造的破壊理論から見れば、かなり非効率的な経済だった。(p.90)

●実際、コンピュータ技術が単純な反復作業の多くをオートメーション化する前は、特殊技能を持たない人々も大きな付加価値をを生み出す要素になれたし、特殊技能を持った人々と比較しても、まずまずの給料を手にすることができた。(p.107)

●トップダウン式の意思決定は、市場の動きが緩やかな世界、すなわち、トップの人間が四六時中、顧客の意向を把握しているような世界でのみ有効だ。近ごろでは、そのような世界はめったにない。といっても、全責任を負っているのは、まだわたしだ。最終決定権はまだわたしが握っている。しかし、わたしが下す決定は、たいていの場合、われわれがこれからどの方向に進めばいいか、どの業界に参入するべきか、核になる戦略や文化をどんなものにするかといった、大まかな戦略を立てるための決定だ。そして、その決定を社員に伝えて、実行させる。というのも、基本的な戦略も知らない社員に大きな権限を与えると、『船頭多くして船山にのぼる』という言葉どおり、社員ひとりひとりが勝手な方向に進みだし、失敗のもとになるからだ」(p.120)

●金融の民主化が進み、証券化が急増したおかげで、今日では、ほぼどんなものでも債券になる。特異な才能を持っているなら、歌手のデイヴィッド・ボウイがしたように、その才能を債券化することだって可能だ。1997年にデイヴィッド・ボウイは、予想される印税の額を背景に、ボウイ債券で5500万ドルをかき集めた。ニューヨーク・タイムズは見出しでこう伝えた。「あなたも、トリプルAの格付け債券になれる」(p.157)

●グローバル経済に参加して"電脳投資家集団"に接続することは、国を公開するのに等しい。つまり自国を株式公開企業にするのに等しいわけだが、ただし、もはや株主は、自国民に限られない。どこの国民かはともかく、電脳投資家集団の一員だ。そして前にも述べたように、彼らは、ただ4年に一度だけ投票するのではない。毎日、毎時間、投資信託や年金基金やブローカーを介して投票するのであり、毎日、毎時間、自宅の地下室からインターネットという手段を介して投票する人々も、どんどん増えていく。(p.218)

●1997年12月に韓国経済が危機に陥ったとき、韓国は自国の外貨準備高は300億ドルだと言っていたが、実際は100億ドルしかなかった。そして投資家集団は、それを知ると、たちまち引き揚げた。同じ時期、ソウル政府はIMFに対して、国外からの短期借入金総額は500億ドルだと告げた。それが、一週間後の発表では、1000億だった。おやまあ。このような透明性の欠如は、金融機関向けに政治リスクの分析を行なうリチャード・メドリーによると、一斉逃走の最悪の原因となっている。(p.225)

●ダボス世界経済フォーラムの設立者、クラウス・シュワッブは、あるとき、こう述べた。「大きい者が小さい者を食う世界から、高速の者が低速の者を食う世界へと、移行している」~(中略)~ビル・ゲイツが、マイクロソフト社員が頭に叩き込んでいるのは、ただひとつの事実、すなわち、4年たてば今作っている製品がことごとく時代遅れになってしまうことだ、と口癖のように言うのも、うなずける。(p.258)

●ベルリンの壁の崩壊以降、日本がずっと不況に陥っている理由のひとつは、この新しいグローバル化システムに、文化的、政治的理由で、適応できないことだ。このシステムでは、日本の慣習よりもはるかに対決姿勢の強い資本主義が求められる。(p.261)
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