zuKao


プロフィール

zuKao

Author:zuKao



最近の記事



最近のコメント



カテゴリー



月別アーカイブ



リンク

このブログをリンクに追加する



小口幸伸著「2時間でわかる外国為替」
2010年、一冊目の本です!(と言っても、読み始めは2009年です。)本のタイトルは「2時間でわかる~」ですが、2時間では読み終わりませんでした。。。

もともとこの本を読もうと思ったきっかけは、FXに関する基礎知識をつけたいと思ったからでした。が、読み終わって備忘録をまとめてみると、為替の基本的な内容がピックアップされており、一般知識として大変勉強になりました。特に輸出と為替の関係(p.39)、先物為替予約(p.40)、高い金利の錯覚(p.64)、海外旅行の時、ドルの買い/売りのレートが違うワケ(p.78)、中央銀行の介入(p.158)、固定相場制(p.170)などがタメになりました。



●この本で表記する「為替」とは正確には外国為替のことで、外為ということもあります。英語では「Foreign Exchange」、略して「Forex」とか「FX」とも言います。最近では、個人が一定の証拠金を預けて為替取引をする外貨証拠金取引のことをFX取引と言っていますが、本来FX取引はもっと幅広い概念です。(p.18)

●株式市場では全面安、全面高というように全ての銘柄が同じ方向に動くことがありますが、為替にはそれはありません。ある通貨が安くなれば、必ず高くなる通貨があるからです。為替でよく見られるのは、ドルに対して他の通貨が全て上がるか、下がるという動きです(「ドル全面安」とか「ドル全面高」とかいう言葉を、お聞きになったことがあるでしょう。あれです)。これもドルの影響力の強さを表しています。(p.22)

●市場ではドルユーロ、ドル円、ドルポンドの三つの通貨ペアの取引量だけで全体の半分以上が占められていて、中でもドルユーロの取引量が断トツです。これは何を意味しているのかというと、銀行のチーフディーラーや有力ディーラーの多くがユーロドルを取引していることを表しています。~(中略)~当然、経済指標などの情報にも彼らは敏感で、このため各種情報が為替レートに反映されるスピードはユーロドルが最も早く表れます。このように、外為市場全体の中で動きの指標となるのがユーロドルなのです。従って他の通貨の動きに関心があっても、まずユーロドルの動きを押さえておかないと本筋を見誤ることがあります。(p.27)

●外為市場(銀行間市場)の基本原理は、ある通貨について「売り」の金額が「買い」の金額より大きければその通貨の為替レートは下がり、「買い」の金額が「売り」の金額よりも大きければ為替レートは上がることです。(p.33)

●日本は貿易立国で、自動車や家電など輸出企業は輸出代金を外貨(主にドル)で受け取って、その外貨を売って円に替えます。従って輸出が増えると外貨の供給(売り)が増えて、外貨のレートが下がります。この外貨は主にドルですからドル円レートが下がると考えられます。ドル安円高です。一方、石油など輸入企業は、輸入商品の代金を支払うために円を売って外貨(主にドル)を買います。従って、輸入が増えるとドルの需要が増えるので、ドル円のレートは上がると考えられます。今度はドル高円安です。(p.39)

●為替レートを100円として採算をはじいていたものが4カ月後に97円になっていたとしたら、1億円入るはずが9700万円になってしまいます。このような可能性があると判断したとき、輸出企業は、あらかじめドルを一定のレートで4カ月後に売る契約を銀行と結びます。これを「先物為替予約」と言います。将来の一定の期日に一定のレートで、ドルと円を交換することを約束する契約です。一般的に先物のドル売り予約が出ると、ドルの供給が増えてドルのレートが下がります(これは、銀行が企業から先物のドル売りを引き受けると銀行にとっては先物のドル買いになり、そのリスクをカバーするために直物のドル売りをするからですが、この取引パターンは専門的過ぎますので説明は省略します)。一方、輸入企業の場合は先物のドル「買い」予約を銀行と結びます。これによりドルの需要が増え、ドルのレートが上がります。(p.40)

●失業者が多くなることは経済の状態が悪化していることを意味します。経済が悪化すれば海外からの投資資金はその国から引き揚げていきますから、従ってその国の通貨は売られます。失業率は労働力人口に占める完全失業者の割合ですが、米国では失業率そのものよりも「非農業部門の雇用者数(NFP)」が注目されます。NFPのほうが経済の現状や雇用状況をより正確に反映していると考えられているからです。~(中略)~ちなみに今述べたばかりの米国のNFPは現在最も影響力のある統計のひとつとされ、世界中の多くの市場参加者が発表の時をリアルタイムで注目しています。現在は米国東部時間の朝8時半の発表ですので、日本では午後10時半(冬時間)にあたり、普通は起きている時間ですので苦にはなりません。(p.56)

●経常収支は貿易収支などをまとめたもので、毎月発表されます。例えば日本の経常収支の黒字が増えると、それだけ外貨(主にドル)の受け取りが増え、その結果としてドル売りが増えます。従ってドル円レートは下がると考え、「投機の為替」のドル売りも増えます。~(中略)~気をつけたいのは、米国の輸出入業者はドルが自国通貨なので、自らはドルの売買をしないことです。ドルの売買をするのは取引先の国の業者です。例えば米国の輸入が増えることは外国の輸出が増えることを意味しますから、ドルは主にその国の通貨に対して売られるわけです。(p.57)

●話は少し脱線しますが、高い金利を見ると人間はよく錯覚を起こします。金融界で使われる金利は、断りのない限りすべて「年率」です。つまり、1年間投資する場合の元本に対する利息の割合です。従って投資期間が1年よりも短いときは、期間に応じて利息の割合も修正しなければならないのですが、それをコロッと忘れてしまうのです。低金利が続く日本ですが、最近よく「投資信託を買ってくれたら円の預金金利を10%にします」などとPRする銀行のパンフレットを見かけるようになりました。メガバンクに預けると1%に届かないときに「10%」は魅力的です。しかしよく見ると、小さな文字で「1カ月預金」と書いてあります。預け入れ期間が1カ月ということは、その間の利息は10÷12=0.83%分しか付きません。10%は年率だからです。それなのに、100万円預金したら10万円も利息がつくと錯覚する人が後を絶ちません。銀行側はそういう「錯覚」効果を計算しているのかもしれませんが、いずれにせよ表面の利率だけで惑わされないことが肝心です。(p.64)

●銀行が顧客に適用する為替レートは、「顧客レート」あるいは「顧客相場」と呼びます。私たちが海外旅行に行くときや海外送金をするときに銀行で適用されるレートのことです。顧客レートは銀行間市場のレートを基にして決められます。午前10時ごろに銀行間市場で取引されたレートを基準値と決め、これを「中値(なかね)」と呼びます。ドル円のレートの場合、中値より1円高いレートを「TTS(Telegraphic Transfer Selling rate 電信売り相場)」、1円低いレートを「TTB(Telegraphic Transfer Buying rate 電信買い相場)」と定めていて、顧客はTTSのレートで円をドルに替え、TTBのレートでドルを円に替えます。(p.77)

●ドルの現金を買うときにはTTSよりも2円高いレートが適用されます。~(中略)~ドルの現金を売るときはTTBよりも2円低いレート、97.20です。卸値である中値から見れば3円も不利なレートになりますが、別に銀行が暴利をむさぼっているからではありません。銀行が外貨を売買するためには手元に外貨を保管しておく必要があり、その資金は利息を生みません。保険料もかかります。現金は銀行にとってコストがかかる上に運用できない資産なので、手数料が高いのです。(p.78)

●そして、外貨預金をする人にとって無関係でないのが「先物レート」です。日本で外貨預金をしている人は相当多いと思いますが、そのうち先物レートのことを知っている人はどれだけいるでしょうか。恐らく、ほとんどの方がご存じないでしょう。これは、実はおそろしいことです。なぜなら先物レートを知らずに外貨預金をすることは、自動車のメカニズムを知らないで運転をするようなものだからです。~(中略)~実は市場ではどんなに高金利の通貨を持っても、最初の段階(預金設定時)では、円の利回りと同じになるように先物レートが成り立っています。(p.84)

●前の章でも触れましたが、為替レートにはいくつかの種類があります。~(中略)~これに対して、2カ月後とか1年後に通貨を交換する為替レートが先物レートです。~(中略)~それでは、先物レートはどのように決まるのでしょうか。例えば、直物レートが100.00であるのに対し、3カ月後のドル円の先物レートが99.25とします。これは、「3カ月後に直物レートが0.75だけドル安円高に動いているだろう」という市場の予測値と思っている人が多いと思いますが、これは正しくありません。先物レートと直物レートの幅は、実は2通貨の金利差によって決まります。(p.85)

●前にも言ったように、外貨預金をする人は高金利に関心があって外貨預金をするわけですが、実は外貨の為替のポジション(ロングポジション)を持っています。ほとんどの人は外貨預金をすると満期まで持ちます。1年預金だと、1年後の直物レートがどうなっているかで利益にもなるし損失にもなります。1年後の為替レートを予測するのは専門家でも難しいことです。しかし多くの人がそうしたリスクを負っているのです。私から見れば何とも大胆。先に「無謀」と言ったのはこういうことで、外貨預金は博打(ばくち)を打っているようなものなのです。(p.96)

●個人にとって現実的なリスク管理方法は、懐具合に応じて損失許容額を把握し、そこからその額に応じたポジションのサイズを決めれば事は足ります。例えば、自分の損失許容額が50万円で、ドル円の為替ポジションを取るとします。ドル円の一日の最大変動幅を5円と考えるならば、持てるポジションの最大額は10万ドルになります。その金額を超えない範囲で取引をすればいいわけです。(p.111)

●例えば、あなたがアメリカに留学している子どものために、毎年3万ドルの送金をしなければならないとします。現在の直物レート100.00で計算すると、300万円必要です(銀行に払う手数料は考慮に入れていません)。しかし、仮に1年後に直物レートが120.00になっていれば、必要な円資金は360万円と一気に跳ね上がってしまいます。そこであなたは為替の先物予約をして、あらかじめ必要な円資金を確定しておきたいと考えます。~(中略)~「先物」というと一般的に投機のイメージがありますが、為替レートのリスクをヘッジする手段としては最も一般的で、貿易に携わる企業は日常的に利用しています。(p.116)

●中央銀行が市場に参入するケースは、主に2通りです。一つは為替差益を求めて売買するケースで、いわゆるスペキュレーター(投機者)です。日本人の感覚では信じられないかもしれませんが、アジアなどの新興市場国の中央銀行に中にはこうした取引をするところがあります。もう一つはマクロ経済政策上の観点から為替を売買するケースで、「介入」と呼ばれるものです。為替相場の安定や一定の為替レート水準を維持するために市場に参入します。例えば、「130円以上の円安はインフレを加速するので、日本経済にとって好ましくない」と当局(財務省)が判断すると、円安を抑制するために日銀は「ドル売り円買い」の介入をします。一方、「90円以上の円高は日本の輸出産業に打撃を与え、景気を悪化させる」と当局が考えた場合は、円高を抑制するために「ドル買い円売り」の介入をします。(p.158)

●一国の中央銀行だけが主に自国の市場で介入をする場合を「単独介入」、他の国の中央銀行に介入を委託する場合を「委託介入」といいます。例えば、日銀がニューヨーク市場でFRBに頼んでドル円の介入をやってもらうと、これは委託介入になります。この場合、資金は日銀が提供して、FRBは日銀の代理として実務を執行します。これに対して、複数の中央銀行がそれぞれ自己資金を使って各市場で一斉に介入する場合を「協調介入」といいます。(p.164)

固定相場制は、自国通貨のドルなどに対する為替レートを固定的に維持する制度です。為替レートを一定に保つ厳密な固定相場から、中心レートを決めて一定の変動幅を許容する比較的緩やかな固定相場まで形態はさまざまです。香港、ベトナム、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)などが採用していて、新興市場国、発展途上国に多い通貨制度です。これに対して管理変動相場制は、為替レートの変動は原則的に市場の需給に委ねるとしながらも、変動の幅や為替レートの水準について常時通貨当局の意向を反映させるように管理する制度です。固定相場制と同様、新興市場国、発展途上国に多い制度で、中国、マレーシア、シンガポール、クウェートなどが採用しています。(p.170)

●一般の人が為替をやる場合は、後者のパターン、つまり大きく儲けて損を小さくするやり方を目指した方が成功する可能性が高いでしょう。まず2回に1回以上、つまり半分以上は負けると思った方がいい。そのほうが気楽です。そして、負けをいかに小さくするかのほうに精力を注いでください。(p.205)

●先にも触れましたが、ディーラー全体の1割もいない特に優秀なディーラーたちが相場を語るときは、支離滅裂でまるで明快ではありません。実態をとらえられないと思っているからこそそうなるのであって、それがもどかしいのでしょう。ですから相場のことを明快に話す人がいたら、相場のことを全く知らない講演料稼ぎが目的の詐欺師か、口からでまかせで聞き手をバカにしている大嘘つきであるかのどちらかです。(p.212)

ロンドン外為市場は世界最大の取引規模を誇ります。金融街であるシティーには、世界各国から多くの金融機関が進出して金融業務を展開しています。「ウィンブルドン現象」と指摘されたように、シティーで外国の金融機関が大いに活躍してくれれば、必ずしも英国の金融機関が独占的なシェアを獲得したり業界をリードしなくてもいいというのが英国政府の考え方です。~(中略)~現在英国のGDPの約1割を金融業が占めています。(p.226)

●日銀は1999年から2006年までゼロ金利政策や量的緩和政策を採り、オーバーナイトコールレートはゼロ、あるいはほぼゼロに近い水準で推移しました。ゼロ金利解除後、政策金利は0.25%ずつ二度あがって0.5%になりましたが、依然として世界の主要国の中でも最も低金利の通貨です。ここまで長く低金利が続くことは世界的にも例がありませんが、それだけ日本経済の回復力が弱く、国内の資金需要が持続的に高まらないことを反映しています。(p.228)
スポンサーサイト

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック