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ジェフリー・フェファー他著「実行力不全」
Authors: Jeffrey Pfeffer, Robert I. Sutton
Title: The Knowing-Doing Gap
Sub Title: How Smart Companies Turn Knowledge into Action

zuKaoもここ数年で多くの本を読み、確実に知識は増えてきていると思います。が、それを実行に移せているかというと、必ずしもそうではありません。この本は会社組織においても知っていることと行動に移すことは違い、また行動に移す事ができている組織はなかなかないという事について書かれています。結局はコミュニケーションだったり、組織の「真の意味」での価値観だったりするのかなぁ、と感じています。




●教育や研修の機会がこれほどあり、ビジネス書があふれていながら、なぜ実際の経営は変わってこないのだろう?~(中略)~本を読み、セミナーに参加して「目からウロコの体験だった」と感激する人は多い。しかし、組織にこれといった変化は起こらない。なぜだろう?この疑問が、私たちの研究の出発点だった。「するべきこと」はわかっているのに、なぜ実行できないのか?私たちはこれを知識と行動の問題-業績を上げるための知識を行動に移す問題と呼ぶことにした。(p.20)

●「暗黙知」と呼ばれるものがある。仕事に必要な知識だが、言葉で表現しにくく、体系化もしにくい。正式なシステムに蓄えることもできない。企業が何百万ドルもかけてナレッジ・マネジメント・グループを設立する一方で、実用知識は、口から口へと語り継がれ、試行錯誤や見よう見まねで伝えられていく。(p.34)

●計画を立て、会議を開き、報告書をつくる。これで大事な仕事はすんだと錯覚するのは、BHPに限ったことではない。会議、討議、報告書の提出、たしかにこれも活動だ。しかし、知識を行動に移すという活動だけが抜け落ちている。(p.49)

●社訓を掲げるのも、机上の空論をもてあそんで行動をおろそかにする常套手段だ。もちろん、会社のビジョンや価値観を社内に徹底させることは望ましい。長い目で見ると、それが成功につながっていく。~(中略)~ただ、それをどこかに掲げただけで、実行した気になるのが問題なのだ。社訓のカードを従業員に携帯させ、壁にパネルやポスターを貼り出すだけで、会社の業績がアップできると錯覚してしまう。~(中略)~哲学を掲示するだけで、人の行動が変わるはずがない。しかし経営側には、顧客を満足させ、品質を高め、従業員を喜ばせ、生産性を高める魔法の呪文に思えるらしい。アイリーン・シャピロは、社訓を「悪霊の祟りを防ぐために、集会室に下げておくお守りのようなもの」と手厳しい。(p.51)

言葉と行動を混同し、社訓と現実を混同する。同じように、計画を立てることと、計画に沿って行動することも混同されやすい。計画や戦略が実行されないまま、しまい込まれたキャビネットがどこの組織にもあるものだ。計画や分析に、膨大な時間と努力が浪費される。~(中略)~労力をつぎ込んですばらしい計画を立てても、うまく機能するとは限らない。(p.54)

●計画を立てることと、業績を上げることは直接関係がない。広範囲のケーススタディをまとめたヘンリー・ミンツバーグは書いている。(p.55)

●権限を分散したり、意思決定権を委譲したり、情報を共有することや、採用に企業文化を重視し、尊敬をもって人を扱うことなどは、決して難解な考え方ではない。しかし、「権限を分散する」には、意思決定権を放棄しなければならず、実行はきわめて難しい。「情報を共有する」ためには、自分だけが人の知らない情報を握っている優越感を捨てなければならない。(p.66)

●トーマス・エジソンは、蓄音機や電球、映画用カメラなどを発明した。しかし、最大の発明は「発明工場」というビジネスをつくったことだと、歴史家は見ている。この工場を通じて、彼は毎年何百という発明品を生み出した。何十年間もエジソンはニュージャージー州メンロパークとウェストオレンジにあった実験室で、アイデアを思いついてはテストをくり返した。エジソンは一匹狼の発明家のように語られるが、何千もの発明の陰には、実験室で仕事をした協力者たちがいた。エジソンは彼らと親しく接していたという。有望なアイデアと、捨てるべきアイデアを選別するのに、彼の実用的な知識と気さくな態度が役立ったと、テクノロジー史研究家は述べている。(p.69)

●SASでは、マネジャーがすべて現場にいて、マネジメントのほかに自分の仕事ももっている。創立者の一人でCEOのジェームズ・グッドナイトも例外ではない。いまも時間の大半はプログラミングや、製品開発チームの指導にかけている。CEOになってもなぜプログラミングや開発にかかわっているのかと聞かれて、彼は「大企業を経営するのはいささか退屈だから」と答えている。実際、グッドナイトの姿は社長室ではなく、研究開発棟で見かけることが多い。(p.69)

●人間尊重のマネジメントが語られているが、実行はまだまだである。次に、恐怖心や不信感が業績の悪化を招くこと、特に知識を行動に移す能力を抑え込んでしまうことについて述べる。恐怖心は知識と行動のギャップを生む。人が進んで知識を行動に移したり、新しい情報を取り入れてあえて危険を冒したりするためには、罰せられる恐れがなく、それが認められるという保障が必要である。(p.120)

●恐怖心は知識を実行に移す能力も麻痺させてしまう。上司を恐れるあまり、やっかいな問題をもち込む役をだれも演じたがらない。心理学者はこれをMUM効果と呼ぶ。上司がどんなことでも受けとめるおおらかな態度を示さないかぎり、部下はMUM効果で、できるだけ波風を立てまいとする。いい出しっぺになるのを恐れて、改善を提案するのをためらうのだ。(p.134)

●《組織から恐怖心と怠惰を追放する方法》
・上司は悪い知らせを伝えた人をほめ、見返りを与え、昇進させる。
・行動しないことだけが、本当に深刻な失敗である。行動して成功しなかったことではなく、行動しなかったことを罰するべきだ。
・リーダーも率先して自分の失敗を語る。特に、失敗から学んだことを話す。
・オープンなコミュニケーションを奨励する。
・人々に第二(第三)のチャンスを与える。
・人に恥をかかせる人、特にリーダーは追放する。
・間違いから学ぶ。特に何か新しいことに挑戦したときの誤りは、貴重な体験として奨励する。
・新しいことに挑戦した人を罰してはいけない。(p.145)

●The Loyalty Effect(邦題『顧客ロイヤルティのマネジメント』)を書いたベイン・アンド・カンパニーのコンサルタント、フレデリック・ライクヘルドは、企業が評価の問題をいいかげんにしている理由や、その結果生じている問題点を取り上げている。もっともやり手といわれる人たちは、評価システムなどに関心がない。・・・・・・リーダーたるもの、ビジョンとか戦略とか、もっと刺激的なことに専念すべきだと思っている。評価などは、青白い覇気のない連中のやることだと。(p.154)

●競争でないとしたら、行動を駆り立てるのは何だろう?それはピグマリオン効果とも呼ばれる、自己達成を予言する力である。~(中略)~リーダーが部下の力を信じて、いろいろな条件とは関係なくプラス志向の期待をすると、部下はよい結果を出すのである。(p.204)

●成績を上げるのに競争は必要ない、という私たちの主張を裏づけるように、イスラエル国防軍は、ピグマリオン効果を実証している。小隊のリーダーが、自分のクラスには特別に能力の高い兵士がそろっていると確信すれば、すでにそこには強いピグマリオン効果が働いている。この実験から、グループのメンバーがすばらしい活躍をするだろうと、リーダーが期待すると、グループ全体の成績がアップすることがわかる。~(中略)~自己達成の予言は逆効果に働く場合もある。スキルもやる気もないとリーダーに思われた人は、成績も落ちていく。(p.205)

●知的資本を獲得し、強化するためには「文化の共有」を進めなければならない。もちろん、知識は社内のメカニズムを通しても伝えられるが、競争心をあおらずに気楽に話し合える雰囲気をつくり出せば、自然にスキルや知恵は広まっていく。IBMコンサルティング・グループのラリー・プルーザックは述べている。おしゃべりをする時間や空間を与えることも大事だ。学習は知識の社会化である。人は自分の知識をだれかに伝えたいが、時間の余裕がない。会社は多額の資金を使って聡明な人々を雇用したのに、彼らを多忙にさせていて、その知識がほかの人に伝わらない。(p.210)

●逆効果になる社内競争が、いまなおつづいているのはなぜだろう?リーダーやマネジャーたちが、学校時代にも企業に入ってからも、競争に勝ち抜いていまの地位を得たという事情に関係があるのではないだろうか?ある記事はこう書いている。わが社のリーダーはたいてい、リードする能力もさることながら、競争に勝っていまの地位にのぼってきた。したがって、競争をもち込めば業績が上がると信じているのも当然である。(p.211)

●GMの役員、トム・ラソーダはこのことをうまく表現している。問題にぶつかって初めて「なんとなくわかる」という段階から「知識が身につく」段階になる。たとえば、「作業の標準化」とか、「リーン生産方式」とかを、なんとなくわかった気がしている。しかし、実際に教えたり、実行したりする立場に立たなければ、それは本物の知識にはならない。人に教えて初めてそのギャップが埋まる。このことを実践している会社は、大きな実績も上げている。(p.262)

●プランや、意思決定、会議、トークなどが、行動のかわりになってしまう傾向がある。人は行動ではなく、発言でステータスを得る。「ディスカッションも分析もすませた。意思決定も下した。きっと何かが起こるはずだ」と考えるマネジャーは多い。そんなことはめったに起こらない。(p.265)

●ハーバード・ビジネススクールのクレイトン・クリステンセン教授は、「会社に必要なのは『失敗したらどうなる?』という考え方ではなく、『どこまで許すか?』という考え方である。それがなければ、消極的な役員ばかりで、リスクを恐れず積極的にものを考えるリーダーが育たない」という。(p.267)

●会社のリーダーは、知識と行動にたとえ小さなギャップでも見つけたら、それを埋める方法を考えなければならない。何よりもまず、知識を行動に変えるシステムをつくることである。戦略を決定するのはその次でよい。~(中略)~リーダーは環境を整え、高い目標を掲げ、仕事の効率をアップさせる手助けをする。しかも、言葉ではなく、行動を通してである。(p.274)
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