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フィリップ・コトラー、ジョン・A・キャスリオーネ著「カオティクス」
Title: Chaotics
Sub Title: The Business of Managing and Marketing in the Age of Turbulence
Authors: Philip Kotler and John A. Caslione

マーケティング界では有名な(STPとか)コトラーの共著です。ちなみに私はコトラーの本は初めて読みました。



●企業はある程度のリスクと不確実性は絶えず抱えてきたし、それによるダメージを少なくするためになるべく保険をかけてきた。しかし、今日の変化のスピードと衝撃の規模は、いままでよりもはるかに大きい。過去の通常時とは違う。これこそが、ニューノーマルなのだ。それは破壊的イノベーションにとどまらず、大きな衝撃をはらんでいるのである。(p.4)

●NIC(米国国家情報会議)が"Global Trends 2025: A Transformed World"(訳注:「グローバル・トレンド2025-様変わりした世界」の意味)という報告書を2008年11月に発表した。未来について戦略的に考えることを促すのがその目的で、主な動向とそれを推進する要因、その方向性、互いにどう影響し合うかをあげている。~(中略)~この報告書を読めば、世界は近い将来、継続する崩壊・乱気流・カオス・暴力に間違いなく直面しているだろう、という認識がさらに強まる。(p.10)

●1972年、「カオス理論」の父、エドワード・ローレンツが講演で、次のような問いを投げかけている。「ブラジルで一匹の蝶が羽ばたくと、テキサスに竜巻が起こるだろうか」。いわゆるバタフライ効果とは、一匹の蝶が羽ばたくことで大気中に生じるごく小さな変化が、最終的には竜巻のような暴風圏の進路を変えたり、速度を落としたり上げたり、あるいはある場所での発生を妨げたりすることすらある、という考え方のことである。この理論によれば、もしその蝶が羽ばたいていなかったら、その竜巻の軌道はかなり違うものになっていた可能性がある。竜巻のような大型事象も含めて、気象現象のさまざまな点に蝶が影響しうることを研究者は認めているのだ。(p.17)

●クラウド・コンピューティングについて、いまの専門家がまだ十分に取り組んでいない基本的な問題がひとつある。知識共有である。いまの技術では、簡単な方法で相手を探して知識を共有する、という課題が解決できていない。これがいわゆる「究極の目標」であるが、あのマイクロソフトでさえ、シェアポイントで試みはしたものの、解決には至っていない。(p.28)

●その後書かれた『イノベーションへの解-利益ある成長に向けて』でクリステンセンは、破壊的テクノロジーという言葉を最終的に破壊的イノベーションという新しい概念に置き換えている。本来的に破壊的な特徴をもつテクノロジーはわずかだと気づいたからである。(p.29)

●クリステンセンは、ハイエンド市場の顧客が重視するような全機能は必要としていない顧客層をねらう「ローエンドにおける破壊」と、いままでになかったり不十分だったりするものを求めている顧客層をねらう「新市場における破壊」を区別している。(p.31)

●一般的に既存の主流企業は、さほど利益にならない顧客層でのシェアをあまり守ろうとせず、たいていは既存企業はだんだん、それまでよりも狭い市場へ入り込んでいくことになり、ついに破壊的テクノロジー企業がもっとも収益性の高い層の需要を満たすようになって、既存の主流企業をその市場から最終的には完全に追い出してしまう。(p.32)

●破壊的テクノロジー企業が攻めてくると、既存テクノロジー企業の経営陣はたいてい真っ先に、高報酬のいまの自分の地位と、代わり映えのしない安易なビジネスモデルを守ろうとする。よくあるのは、目をつぶっていれば問題がそのうちになくなるだろうという態度である。実際なくなることもたまにはあるが、たいていは、なくなるどころかやがて本当に大混乱となる。すると、大慌てで人員削減を行ない、ああでもないこうでもないと議論し、あげくの果てに、難しすぎて顧客が実際に使いこなせないような新技術の製品をつくり出す。(p.34)

●ここで、乱気流に見舞われたときに企業が犯しやすい過ちを見てみよう。
~(中略)~
・計画的行動ではなく、全社一律の経費削減をする過ち
~(中略)~
・マーケティング、ブランド、新製品開発の各経費を削減する過ち
・売上減少を挽回するために値下げする過ち
・販売関連費を削減することで自ら顧客から離れていく過ち
・社員研修や能力開発費を削減する過ち(p.68)

●ダイヤモンド・マネジメント・アンド・テクノロジー・コンサルタンツ(以下、ダイヤモンド・マネジメントと表記)が2008年11月に"Don't Waste a Crisis: Lessons from the Last Recession"(訳注:「危機をムダにするな-前回の景気後退からの教訓」の意味)という報告書を発表した。それによれば、前回の深刻な不景気時に全社一律で経費削減を行なった企業の48%が、衰退あるいは落伍していたことが明らかになっている。(p.72)

●ダイヤモンド・マネジメントのイノベーション・リサーチ担当副会長のジョン・スビオクラがこう述べている。「当社の調べでわかったことは、近視眼的に一律カットを適当に行ないたい衝動に駆られるまさにそのときに、優れた企業は自社の業績データを丹念に調べ、ライバル企業より優位に立つということです」。さらにこう続けている。「経費削減はどこでも行なうことですが、その企業の計画や業績が改善するようなやり方で行なっているかどうかで、その企業の勝敗が決まるのです」。(p.73)

●予算が苦しいとき、企業がより保守的になるのはもっともなことだが、リスク覚悟でやってみようとしない、製品開発に投資しない、協調路線の必要性を見誤る、こうした企業は、景気が上向きになったときに太刀打ちできなくなってしまう。一方、景気が厳しいときに研究開発や新製品開発に投資している企業は、引き続き収益を上げることになる。~(中略)~例をあげると、アップルがiTunes、iPodを発表し、全米に直営店をオープンしたのは2001年の不景気のときであり、景気が回復するや、ライバルを追い落として完全に返り咲いた。(p.80)

●企業の早期警報システムの開発で高い評価を受けている第一人者が、ジョージ・S・デイとポール・J・H・シューメーカーのふたりだ。ともにペンシルバニア大学ウォートンスクールのマック・センター・フォー・テクノロジカル・イノベーションで教鞭をとっている。共著の『強い会社は「周辺視野」が広い』でふたりがこう述べている。「企業にとって一番危ないのは、迫っていることに気づかない危険であり、そうした前兆の重要性を理解し、一方で機会を先取りするには、強力な周辺視野が必要である」。(p.114)

●あの典型的な製造業のP&Gでさえ、こうした時流に乗っている。同社CEOのA・G・ラフレーがこう語っている。「当社のコアとなる能力は開発と商品化です。うちでは多くの領域で、製造は<コアとなる能力>ではないという結論に達しました。それで、さらなるアウトソーシングを進めさせたのです」。(p.167)

●戦略実行に関する調査によると、主目標への一致協力がないと、業績が悪化する。優れたリーダーは、重要課題を設定したら主なステークホルダーに会って支援を要請し、目標と価値観がすみずみまで行き渡るよう責任をもって取り組む。頼りないリーダーは、社内抗争の悪化や腹の探り合いの横行を放置する。(p.169)

●マーケティングの考え方の大きな変化
・顧客のことを考えるのが、マーケティング部門から、企業の全員へ。
・だれにでも売る企業から、特定のターゲット市場での最良企業を目指す方向へ。
・製品単位の組織編成から、顧客層単位の組織編成へ。
・何もかも社内で行なっていたのを、製品やサービスをもっと外部から調達する方向へ。
~(中略)~
・販売ごとに収益をあげることから、長期的な顧客価値を創造する方向へ。
・市場シェアの拡大を目指すことから、顧客一人ひとりの購買拡大を目指す方向へ。(p.186)

●だれもが乱気流に脅えているときは、大勢の消費者が安全性を求めている。いまこそ、自社と自社の製品・サービスに安全や安心を感じてもらうときである。当社なら安心です、というメッセージをなんとしても伝えること。顧客に引き続き安心してもらえる製品やサービスを売り込むこと。そして、そのために必要な費用を惜しまないこと。(p.200)

●覚えておこう。ライバル商品に食われるくらいなら、自社商品同士が共食いするほうがまだましである。顧客が引き続き利用してくれていれば、少なくともアップセルが可能だからである。(p.202)
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