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細谷功著「地頭力を鍛える」
この本は以前よりなんとなくは知っていたのですが、購入するまでには至っていませんでした。今回飼うきっかけとなったのは「Googleの入社試験問題」です。ネットで試験問題のネタを見つけ、それが「フェルミ推定」というものだと知りました。面白そうだと思いフェルミ推定の本をAmazonで探したら、この本にたどりついたというワケです。

ちなみにp.50に記載のあるフェルミ推定の問い「日本全国に電柱は何本あるか?」ですが、zuKaoは1分30秒で1000万本という解答を出しました。p.54によると答えは合計約3300万本であり、大体500万本~5000万本の間に収まっていれば「合格」だそうです。まぁ、合格ですね。

あとp.113に書かれている内容は、内田和成さんの「論点思考」そのものだと思いました。



●二番目に必要な能力が対人感性力である。「場の空気が読める」という、理屈では説明のできない能力がこのタイプの人の有する特殊能力である。一般的に言って、人間関係でもまれ、苦労している人にはこの能力の高い人が多い。ある意味合理性の対極ともいえる能力であるが、ビジネスや日常生活を円滑に進めていくには今昔を問わず必須の能力である。特に「人を動かす」にはこの対人感性力が不可欠である。前項で挙げた知識力と比較しての特徴としては、陳腐化することがほとんどないことが挙げられる。(p.18)

●まず地頭力以外の二つの能力を組み合わせた「YZ平面」すなわち、知識・記憶力と対人感性力の組み合わせ平面を考えてみよう。~(中略)~伝統的な日本の大企業で成功するために必要な、言い換えれば社内で昇進するための能力は何であっただろうか。例えば社内人脈、根回し力、「飲ミニュケーション」力、社内政治力、(以上主にY軸)、特殊な社内ルールへの精通、これまでのビジネスモデルにおける実績、特殊な規制や業界事情、その業界内での成功要因に関する知識(以上主にZ軸)等ではなかっただろうか。(p.20)

●最後の平面が「XY平面」である。この平面は「考える力」の地頭力と「伝える力」の対人感性力の組み合わせであり、表1-1にあるとおりに一度身につけてしまえば(あるいは生まれつき持っていれば)陳腐化することが少なく、死ぬまで役に立つスキルセットである。(p.22)

●これらをベースとした上で「地頭力」固有の要素が、①「結論から考える」仮説思考力、②「全体から考える」フレームワーク思考力、③「単純に考える」抽象化思考力の3つである。本書では主にこの「3つの思考能力」を地頭力の主たる構成要素として議論する。(p.25)

●「東京都内に信号機は何基あるか?」「世界中にサッカーボールはいくつあるか?」といった、把握することが難しく、ある意味荒唐無稽とも思える数量について何らかの推定ロジックによって短時間で概数を求める方法をフェルミ推定という。「原子力の父」として知られるノーベル賞物理学者エンリコ・フェルミ(1901-1954)が、自身こうした物理量の推定に長けていたとともに教鞭を取ったシカゴ大学の講義で学生にこのような課題を与えたことから、彼の名前を取ってフェルミ推定と呼ばれる。~(中略)~フェルミ自身がシカゴ大学の学生に出したことで知られるのが「シカゴにピアノ調律師は何人いるか?」という質問で、フェルミ推定の「古典」として有名である。(p.40)

●もう一つフェルミの名前がついたエピソードとして有名なのが「フェルミパラドックス」である。これは地球外文明(生物)の存在の有無についてのもので、
・宇宙の広さや星の数、歴史の長さを考えて地球外文明(Extra Terrestrial Civilization:以下ETC)が存在しない方が不自然である
・しかし地球上ではこれまでにETCは正式には目撃されていない
というパラドックスである。(p.42)

●正解のある質問では、解答者が単に正解を「知っていた」のか、その場で「考えた」のかを区別する方法はないが、解答のない質問であればより明確に解答者の「考える力」を試すことができる。(p.46)

●「日本全国に電柱は何本あるか?」
※解答に際してのルールは以下の3つ:
・制限時間:3分(厳守)
・電卓/PC等は使用不可(紙と筆記具のみ)
・一切の情報の参照不可(p.50)

●ではフェルミ推定でいかに仮説思考を鍛えるか?ポイントは、①どんなに少ない情報からでも仮説を構築する姿勢、②前提条件を設定して先に進む力、③時間を決めてとにかく結論を出す力の3点である。(p.57)

●例えば電柱の問題について、全体俯瞰力のある人はまず全国にある電柱を市街地/郊外で見るといった全体の把握から始めるが、これが苦手な人はいきなり自分の近所、あるいは慣れ親しんだエリアのみから具体的な計算に取り掛かる。本来ははじめに自分の知っている地域は「全体の中で」どういう位置付けか(市街地か郊外か等)を決めてからこうした計算に入っていくのが全体俯瞰の視点である。(p.60)

●コミュニケーションがうまくいっていない場合のほとんどが、この「鉄則」が守られていない場合である。コミュニケーションの苦手な人がよく発する言葉というのが、「コミュニケーション上の問題はありません」「きちんと伝えました」「○○に××と書いてあります」「あれほど言ったんですが・・・・・・」等という言葉である。お気づきだろうか?これらの言葉はすべてベクトルが逆転していない、つまり「伝えて側から」の論理である。そこには、相手に実際にどこまで伝わったのか、相手がどこまで理解したのか、といった観点は一切入っていない。(p.100)

●「仮説思考力」という言葉を使うとずいぶん改まった難しい考え方のようであるが、実は我々の周囲にもこうした思考回路の人は多数存在している。そういう人たちの口癖が、「落としどころ」とか「うそでもいいから」といった表現である。この「落としどころ」というのはまさに仮説そのものであるし、「うそでもいいから」というのも、「現在わかっている情報だけで」の言い換えという点で「仮説思考してみよう」ということである。ただし、これを仮説思考になじみのない人から見ると、やる前から「落としどころ」を考えておく等というのはある意味不謹慎なことに思えるかもしれない。また「うそでもいいから」などというのは、完璧主義の人には許せない言葉だろう。~(中略)~ただし、「落としどころ」というのは「その時点で想定する最善の」着地点であって、必ずそこに誘導しなければならないという偏見になってしまっては具合が悪く、あくまでもフレキシブルに変えていくというのが大前提である。(p.112)

●前提条件を決めるというのは、裏を返せば課題の線引き、つまり課題がどこからどこまでかというのを明確に定義していくことである。我々が日常直面する課題というのは、クイズのように明確に境界が定義されたものなどはほとんどなく、どこからどこまでが課題かわからないようなもの、さらに言えばそれが本当に課題なのかどうかもわからないようなものであり、実は課題を解決するために一番難易度が高いのがこの「課題を定義する」ということなのである。(p.113)

●最終的な顧客サービスを迅速に実行することよりも、組織内での論理を優先させて意味のない品質向上のためにアウトプットが遅くなってしまうというのはよくある事象である。このように完璧主義を生むのは組織であって、必ずしも個人の責任ではない場合も往々にしてある。(p.116)

●「話が長い人」というのがいる。どんな人のことだろうか?我々はどんな場合に「話が長い」と感じるのだろうか?~(中略)~「話が長い」とは以下の三つのいずれか、あるいはそれらの組み合わせに分類できるのではないだろうか。第一は話の中身の問題で、「話がつまらない」、「わかりにくい」、「聞き手の興味に合っていない」あるいは「趣旨から脱線している」場合である。~(中略)~第二は「所定の時間をオーバーする」ことである。~(中略)~そして最後の要因として、「いつ終わるかわからない」場合に聞き手は話が長いと感じるのではないか。(p.136)

●KJ法のメリットとして、自由なアイデアを多数抽出できる、分類によってそれらを整理できるということが挙げられる反面、注意すべき制約として(ボトムアップ的アプローチであるために)「思考の癖から脱却できず、完全に斬新な視点でのアイデアを抽出しにくい」ことが挙げられる。KJ法では「アイデアを出してから分類を考える」というアプローチであるために、これまでと違った切り口でのアイデア抽出や、視点の抜けもれのチェックがやりにくく、普段思っていることの延長のアイデアの域を出られないという限界があるのである。(p.146)

●また、分類をするときに作ってはいけない箱がある。それは「その他」という箱である。~(中略)~なぜならきちんとした分類の元である軸で切断された断面であれば「その他」という箱自身が登場することがありえないからである。「その他」とはある意味でフレームワーク思考における思考停止の兆候であるのだ。(p.147)

●前述のKJ法の発案者である川喜田二郎氏はその著書『発想法』(中公新書)の中で、ブレーンストーミング等で抽出されたアイデアを「大分け」から「小分け」にするか、「小分け」から「大分け」にもっていくかということに関して、本章でフレームワークのアプローチとして述べた「大分け」から「小分け」にする方法を「専制的」として以下のように批判している。「この点については、大分けから小分けにもっていくのは全くもって邪道である。~(中略)~(誰かが大分けの仕方を決めてから分類するアプローチに関して)「大分けから小分けへと進めようという我のあるところには、ヒットラーやスターリンの心がある。つまり『自分の考えがいちばん正しい』ときめてかかって、『民衆はおれのとおりに従え』というのと同じである。」この指摘のように、はじめから分類の箱の構造を決めてからそれにしたがってアイデアを抽出するというのは、ある「切り口」にしたがったアイデアしか抽出できなくなるというリスクがあり、その意味で、選ばれたフレームワークが「専制的」となってしまうというデメリットがあることは否めない。(p.154)

●モデル化・一般化して考えることの苦手な人は自分の経験のみに依存するあまり「自分の会社(業界)は特別だ」という意識が強く、他社や他業界、あるいは別の世界でやっていることをアナロジーとして自分の業務に取り入れるという発想ができない。そのために現状の延長でのみものごとを考えてしまい、斬新な発想をすることが苦手である。(p.159)

●つまり根本的な課題は、新規顧客の開拓にエネルギーを注ぐあまり、本来守るべき上得意顧客が十分にケアされていない、いわば「釣った魚に餌をやらない」という状態になっていたのである。一般的に既存顧客から繰り返し受注をもらうよりも新規顧客を獲得する方が何倍もコストがかかるという原則があるので、このような結果が起きてしまったのである。そこでの改革の施策は、すでにマーケティングの世界で手法として確立されている「キーアカウントマネジメント」という顧客管理手法を適用することができる。それは例えば、重要顧客専用のチームを設置して顧客と(点ではなく)「面」の関係を築くとか、それによって顧客の経営課題により入り込んだ提案を行っていくとかいった手法である。(p.164)

●あるいはビジネスの場だけでなくても、一冊本を読み終わったら、読後に「この本のキーメッセージは何か」「30秒で説明するとしたら何というか」と考えてみる。(p.171)

●「あなたは自分自身を30秒でどう説明するだろう?」読者はすべて「自分自身の専門家」のはずである。したがって、自分自身について90分語ることは比較的容易なのではないか。~(中略)~しかもこれは相手によってアピールポイントが違うに違いない。(p.172)

●アナロジーとは、異なる領域のものの間での共通点をきっかけに一つのことから他のことを類推して考えることである。~(中略)~およそこの世の中で起きていることというのは、表面的にはすべて異なっているものの根本的な構図を掘り下げていけばほとんど同じ構造になっていることが多い。~(中略)~さらに人間の行動に目を向けてみても、人間の行動の根本的なモチベーションというのは心理学者のマズローの分析結果にあるように、生理的欲求、安全の欲求、自己実現の欲求といった基本的なものであって、環境が多少変わっても根本原理というのはそれほど変わるものではない。(p.172)

●アナロジーで考えるために排除しなければならない考えがある。それは「自分(の置かれた環境)は特殊である」という思い込みである。一般的に人間は他人から見ている以上に自分自身で「自分の経験していることは特殊である」「自分の置かれた環境(組織、会社、業界等)は特殊である」というふうに思い込みがちである。(p.174)

●こうした流れの中ではともすると、「考える力」=「論理思考」とも取れるほどに論理が強調されているが、実際には人間の発想、特に創造的な発想をする上では、論理だけでは不十分である。「論理的に考える」とはものごとの一貫性や整合性を担保することへの貢献が大きいと考えられるが、新たな概念を生み出すことへの貢献に関しては、むしろ論理と対比して考えられる「直観」の得意とする領域である。(p.186)

●経営に関しても、事業アイデアの醸成や人を動かすカリスマ性やリーダーシップ等、個性を持った経営者としてのアートの面が重要である一方で策定した戦略を株主や従業員に筋道立てて説明したり、組織全体で実行可能な業務プロセスや実施計画に落とし込んでいくのはサイエンスの側面が重要になってくる。大企業のように多くの人間が組織だって動く場合にはできるだけアートの部分を排除して「科学的に」組織を運営していくのが望ましい側面がある一方で、他社に対しての差別化を行うためにはアートの部分をいかに引き出していくかという点も重要になってくる。(p.190)

●例えば何か商品やサービスのアイデアが浮かんだときに、「果たしてこれを何人の人が買っていくらもうかるだろう?」という「3分間事業シミュレーション」などはどうだろう。これを意識していると、ビジネスやマーケティングの基本である市場規模の算出、そのための顧客セグメンテーション、さらにコスト、収益性の算出といった概念になり、新しいビジネスへの感度も自然と上がってくることになるだろう。(p.205)
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