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リチャード・クー&村山昇作著「世界同時バランスシート不況」
この本は2009年8月に出されたものです。かなり難しかったです。特にp.102あたりは難解でした。

p.169あたりに、麻生元首相の功績が書かれており、「なるほどなぁ、知らなかったなぁ」などと思いましたが、Wikiで麻生氏の事を調べてみると、著者のリチャード・クー氏との関係も記載があったので、中立的に理解する必要があるなぁと感じました。



●アジアに目を転じても、景気の悪化は顕著になっている。中国は輸出・輸入ともに大幅に減少していて、沿岸部では既に二千万人以上の出稼ぎ労働者が失業、農村部へ戻らなければならなくなっており、大卒の失業率は三割になるという状況にある。(p.14)

●このような景気の急激な落ち込みと、さらに大幅に金利を下げても何の反応も起きないという状況は、実は日本が15年前に経験したバブル崩壊のときと全く同じである。あのときも当時の日銀は金利を8%から人類史上初のゼロ%にまで下げたが、まったく何も起きなかった。経済も反応しなかったし、不動産価格も反応しなかった。普通の不況であれば、これほど大幅に金利を下げれば必ず何かの反応があるはずである。しかし15年前の日本がそうだったように、今回もまた何も起きない。(p.18)

●バランスシート不況というのは、借金でファイナンスされたバブルが崩壊し、借金に見合う資産がなくなった民間が一斉に利益の最大化から債務の最小化にシフトすることで起きる不況である。この不況は、借金でファイナンスされたバブルが崩壊したときにのみ起こる特殊な不況である。「特殊な」という意味は、大きなバブルはまれにしか発生しないので、バランスシート不況もめったに起こらないということである。(p.18)

●ところがバランスシート不況では貯金する人はいるのに、そのお金を借りて使う人がゼロ金利でもいなくなってしまうことで、人々の貯金や借金返済のお金が借りて使われなくなり、経済の所得循環からもれてしまうのである。お金が回らないから内需はどんどん減少し、実体経済は悪化の一途をたどるのである。(p.20)

●アメリカ人はこれまで、住宅を「貯蓄」と考えてきた。アメリカでは、住宅はメンテナンスさえしっかりやっておけば半永久的な資本財であり、土地だけでなく建物も価格が上昇するものであると考えてきた。~(中略)~アメリカの統計で消費と計上される多くの支出は実は住宅のメンテナンスに使われる「投資」であり、実際に人々もその種の支出を消費だとは思っていない。米国の住宅の価値が半永久的なものであることは、同国の中古住宅市場が新築の3.5倍もあることに端的に表れている。同じく住宅を資本財あつかいしてきたイギリスは中古住宅市場が新築の7.8倍になっている。その一方で日本は住宅を耐久消費財あつかいし、築15年で上物はタダ同然としてしまう。その結果、日本では中古住宅市場は新築の6分の1の規模でしかない。(p.30)

●住宅バブルが崩壊して住宅価格がどんどん下がっていけば、住宅価格の上昇を見込んで家を買った人たちのデフォルト(債務不履行)率はそれだけ増えるが、これらの住宅ローンを含んだ証券化商品も大幅に値下がりする。それに伴ってそれらの商品を保有していた金融機関の損失が拡大し、彼らの自己資本比率を悪化させる。しかしここが悪化すると銀行はカネを貸せなくなり、貸し渋りが発生する。この貸し渋りは実体経済や資産価値にマイナスに効き、さらに悪化させることになる。(p.35)

●ここで言う銀行の体質改善とは、ぜい肉を落とし、筋肉質になるということだが、具体的には利ざやの低い貸し出しを削減することを意味する。これを一行や二行がやるならともかく、多くの銀行が同時にやれば、それらの資金で回っていた経済や企業は完全に行き詰まってしまう。しかしそうなると景気はさらに悪化し、資産価値も下がる。そうなると、銀行の不良債権は減るどころか逆に増えてしまい、全体がとんでもない悪循環に陥ってしまうのである。ということは、多くの銀行に同様の問題が発生しているシステム危機下では、政府はまず貸し渋りの解消を優先し、個々の銀行の体質改善は時間をかけて進めるべきなのである。この順序を間違えると、貸し渋りの解消も銀行の体質改善もできなくなってしまうからだ。(p.69)

●しかし、ローンの審査期間が90日もかかっては、住宅の売買は困難になるので、昨今は住宅ローンのPre-Approval(事前承認証明)制度が活用されているという。これは購入者が家を探す前に先に銀行に出向いてローンの申請をし、そのローンが承認されたことを確認してから家を探し始めるというやり方である。~(中略)~通常なら、買いたい家を見つけてからその家の価格を元に住宅ローンを申請するが、いまの米国ではその順序が逆になっており、先に90日間かけて事前承認を取ってから家を探し始めるようになっているのである。(p.85)

●しかし私は、中央銀行がバランスシートを使うのと、財務省がバランスシートを使うのとでは、全く意味が違うと考えている。中央銀行がバランスシートを使うと直接、通貨の信認につながるリスクがあるが、財務省のバランスシートを使う場合はそのリスクが大幅に減少するからだ。~(中略)~そういうなかで、「どうも中央銀行は債務超過じゃないか」とか、「FRBはシティバンクよりもひどい不良債権を抱えているようだ」とか、そういうことが民間で言われ始めたときに、何が起きるかは誰にも予測できない。世界中の投資家がドルから逃げ出し、ドルが暴落するかもしれない一方で、FRBのバランスシートとFRBの金融政策は関係ないということで何も起きないかもしれない。しかし人類が1971年まで何千年も貴金属のバックのある通貨しか信用してこなかったという歴史を見ると、全く何も起きないと考えるのは危険だろう。本来、民間のリスクアセットを買うというのは財政政策であって金融政策ではない。(p.102)

●レーガン時代のアメリカや90年代以降の日本が膨大な財政赤字を出しながらも通貨の信用を失わずに、これまでやってこられたのは、金融政策と財政政策が分離されていたことで、どんなに政府が財政赤字を出しても、中央銀行が国民の信認に値する行動をとってきたからである。つまり中央銀行さえしっかりしていれば財政赤字はそれ以上の問題にはならない。(p.103)

●バーナンキの実験は、いまのところみんな「実」の部分ばかり見ているから、まずますいい方向に向かっているという印象を持っているようである。だが、同時に「嘘」の部分も一緒に積み上げているのであって、FRBの抱える不良債権がある水準を超えた時点で、みんなの目が一気に「嘘」の部分に向いたら、それこそ考えるのも恐ろしい事態になりかねないのである。(p.105)

●政府はいわば安心して貸せる最後の借り手だから、彼らも喜んで政府にお金を貸すことになる。そこで民間金融機関がこぞって政府の国債を買おうとするため、国債の価格は上がり利回りは下がる。その結果、政府はきわめて低い金利で資金が調達できるようになる。(p.131)

●バブル崩壊で大きな損失を抱えた銀行は、必然的に自己資本比率が悪化している。自己資本比率が悪化した銀行は、民間にお金を貸したくても貸せない。借りたい人がいても自己資本が不足しているから貸せないのである。ところが政府が借り手として現れると、政府に対する貸し出しは自己資本の負担がきわめて低く、ほとんどゼロだから、ここにはお金を貸すことができる。(p.131)

●もしもあのときに、みんなが格付機関の話を聞いて何の手も打たなかったら、日本経済は本当に崩壊した可能性がある。国内の、とくに債権市場参加者がムーディーズやスタンダード&プアーズの話はでたらめだと無視したのはまさに賢明だったし正解だった。それが結果的に日本の回復をもたらしたわけで、これは日本にとっても世界にとっても大変に幸運なことであった。(p.140)

●格付機関は神様でもなんでもない。世界的に評価されているエコノミストが格付機関で働いているという話は聞いたことがないし、今回の経済危機の引き金になったサブプライム問題も格付機関がサブプライム関連商品にトリプルAを乱発したことから始まった。あれだけ複雑で理解しにくい商品は格付機関がトリプルAを付けなければ誰も買う人はいなかっただろう。その格付機関はいざ住宅ローンのデフォルトが急増すると慌てて関連証券の格付けを大幅に下げた。しかし、高格付けである以外は全く買う理由のない証券の格付けが下がったことでこの市場は崩壊し、今回の金融危機が始まったのである。(p.141)

●このデフレ・スパイラルを止めるには政府が民間の過剰貯蓄を借りて使い、再度、経済の所得循環に戻してやる必要がある。だからこそ、バランスシート不況下では政府がお金を借りて使う財政出動が経済の安定に不可欠になるわけだが、この政府の財政出動がインフレをもたらすには、政府が民間の過剰貯蓄をはるかに上回る金額を借りて使わなければならない。しかし、過去の日本の例や今回の欧米の例を見ても、戦争以外の平時に政府がそこまでやるのはきわめて困難であり、むしろリスクは、政府の財政出動が民間の過剰貯蓄を埋めきれない方にある。(p.150)

●それから私は世界各国の政府や学界から呼ばれるようになった。まず最初にオランダ政府が全額旅費を出すから緊急で来てくれと言い出し、まる二日間、同国のハーグ市で大臣を含めた会議で議論を交わした。6月には私はイギリス中銀のMonetary Policy Roundtableという会議に呼ばれたが、ロンドンからの参加者の数人が既に「バランスシート不況」という表現を使っていた。~(中略)~実際に私がこの会議に呼ばれたのも、このバランスシート不況という概念の最初の提唱者だからということであった。~(中略)~こうして、いままでは日本という変な国の変な理論扱いだった私のバランスシート不況論が、いまはかなり世界で注目されるようになった。(p.159)

●そして10年後のいま、正確には2008年10月から、クルーグマンは「もう金融政策だけではだめだ。財政をやらなければいけない」と言い出した。~(中略)~これは10年前に私が彼に言ったそのままの言葉である。~(中略)~その彼は09年3月に日本の国民に対して謝罪の意を表明したわけだが、クルーグマンも10年かかってようやく学習したということになる。(p.161)

●麻生氏は08年11月にワシントンで緊急に開催されたG20(金融サミット)で日本の経験を説明し、大いに注目を浴びた。その結果、小さな政府志向で財政出動に否定的だったアメリカのブッシュ大統領までが、G20の声明文にあるように財政出動に合意したのである。ここで会議に参加した全20か国が財政出動に合意したことが昨今の景気の安定をもたらしたことはまぎれもない事実であり、その意味で日本の麻生総理の貢献はたいへん大きかったと言えよう。(p.169)

麻生氏は元々が経営者だから10年以上前からバランスシート不況の理解は完璧であり、英語も堪能(たんのう)なことから日本の経験を海外に伝えるにはベストの存在である。また同氏は小泉政権内では、同政権が不況対策で間違った方向へ暴走することに絶えずブレーキをかけてきた一人であった。~(中略)~逆に、もしも昨年11月のワシントンでのG20で、麻生氏があそこまで強くバランスシート不況下での財政出動の必要性を説明せず、G20全体で財政出動に向かうことが合意されなかったら、いまごろ日本の輸出や生産は現状よりもさらに落ちていた可能性がある。またアメリカでは今年1月にブッシュ政権からオバマ政権に代ったが、そのオバマ大統領が大統領就任後の最初に会談する外国首脳として、麻生首相が招かれた。そのときも麻生首相は日本が経験したバランスシート不況の教訓をアメリカに伝えようとかなりの時間を使って説明した。(p.170)

●「われわれ政府はみなさん民間に対して、借金返済をやめろとは言えません。しかし、みなさんのやっている借金返済をこのまま放置してわれわれ政府が何もしなければ、経済は一気に大不況に落ち込んでしまいます。したがって政府はこの間、民間の逆の行動、つまりみなさんの借金返済や貯金したお金を借りて使います。これを5年間やってGDPを維持しますので、この5年の間に民間のみなさんは早くバランスシートをきれいにしてください。みなさんのバランスシートがきれいになったところで、民間のみなさんは再び前向きの投資に戻ってお金を借りて使ってください。そうなった時点で政府は膨らんだ財政赤字を減らさせていただきます」と。こういう説明を大統領の口から聞けば借金返済をやっているのは民間自身だから、彼らも理解するだろう。(p.172)

●金融資本主義が拡大するには、人々が金融資産を持つことを好まなければならないが、アメリカ人の大半は金融資産を持つよりも実物資産や消費にお金を回すほうを好むからだ。その一方で、貯蓄率の高いアジアはその逆で多くの人々が金融資産を持つことを望み、しかもその資産をドルで運用することを望んだ。そしてそのアジアの保有するドルの大半は、アジアがアメリカに対して貿易黒字を出し続け、そこで稼いだドルをアメリカで運用しようとしたことが今回の金融資本主義の暴走を可能にしたと映るのである。~(中略)~今回の金融・経済危機は中国や日本に言わせると、みんなアメリカのせいだとなっているが、アメリカから見ると責任の半分はアジアにあると映るのである。アジア諸国がいつになっても通貨を上げようとしないから、貿易不均衡を介してアメリカに余計なお金が入り込んでこんなことになったんだ、という見方が根強くあるのだ。従って、日本を含むアジアは最低限の策として財政出動をやる必要があるが、それと同時に貿易不均衡をどうやって縮小するかということも真剣に考える必要があるのである。(p.193)

●実際にサマーズNEC委員長はクリントン政権の財務長官時代から前述の貿易不均衡をたいへん重要視しており、同政権発足時にもしも日本が市場開放と内需拡大を拒否し続けたら円ドルレートは1ドル70円台に入ると予測している。そして彼の予測は1995年4月に現実のものとなった。(p.194)

●戦後の経済を振り返ると、戦後の復興期や第一次石油ショック後のトイレットペーパー騒ぎを除けば工業製品が足りなくて困ったということはない。~(中略)~また、経営者から見ると常に競争が激しく、ちょっと油断をすると売れなくなってしまうというのが実感である。このように考えると、現代の資本主義のもとでは、戦後の復興期やバブル期などの特殊な時期を除けば、常に需要が不足した、供給過剰状態がむしろ常態であるように思われる。モノを作れば売れる時代というのは戦後の復興期かバブルのさなかぐらいのもので、こうした時期を除けば少なくとも工業製品については慢性的な供給過剰状態が続いているというのが、エコノミストとして、日本銀行で30年近くにわたり日本経済をみてきた実感である。(p.199)

●利益以外の基準に投資家の目がいくかどうかについては疑問に思われる人も多いかもしれないが、実は、こうしたことの先駆けとも言える動きがもう既にでてきているのである。例えば私の周りにはカンボジアの若い人たちと事業を起こし、彼らが自立することを通して、カンボジアの少女の売春を防止することを目的にしたNPO法人「かものはし」を立ち上げた人たちがいる。いわゆる社会起業家と言われる人たちで、目的が利潤の極大化でないところに特徴がある。こうしたNPO法人の設立は、利益追求のみをビジネスの目的としない人たちが数多く出てきたことを意味し、金融取引に伴う利益に対する規制が投資行動そのものを変える土壌が整いつつあることを示唆しているものと言えよう。(p.216)

●このようにして投資家の投資基準に利益以外の項目が追加されると、企業としても単に利潤だけを追求していたら済むということではなくなってくる。そのためには国民一人ひとりの意識が変わり、投資=利潤追求という公式からもっと投資を多面的にとらえるようになる必要がある。(p.217)

●戦後すぐの何もかもが不足していた状況のもとでは、「水道の蛇口から水が出るように、大量の製品を安く供給する」という松下幸之助氏のビジネス・モデルがまさに当を得ていた。しかし、いまやあらゆるところに工業製品があふれかえり、誰もが低収益に甘んじている状況にある。こうした状況から脱するためには、大量生産・大量消費を前提にしたビジネス・モデルを変えていく必要がある。(p.218)

●消費者は古いものをメンテしながら大切に何年も使うというストック型の消費と、所有するより使うことそのものに意義を見出す消費行動に移行しつつあるとみるべきである。~(中略)~これまで企業は需要不足が一時的なものとして対応を繰り返してきたが、むしろこうした状況こそ常態であるとの認識が必要である。(p.219)

●ストック型の消費に移行すると、新製品は売れなくなるが、かわりに使用中の製品のメンテナンスのニーズが高まる。これまでメーカーはこうしたメンテナンスは大量生産と異なり、作業効率が悪いとして、あまり力を入れてこなかったように窺われる。むしろ修理代の方が割り高という理由で新製品を勧められることも多かった。しかし、こうした労働集約的な分野こそ雇用吸収力が高く、これから力を入れるべき分野であるように思われる。(p.220)

●確かにヨーロッパのように、みんな立派な家に住んで、その家を少しずつ改善するだけでいいという社会にしてしまえば、実際に働いてフローで稼がなくてはいけない部分というのは相対的に少なくなっていきます。カフェでワインでも飲みながら、みんながもっと人生をエンジョイする。そういう方向に全体が向かっていけば、それが解決策になるということですね。~(中略)~社会保障にしても、このメカニズムなら大丈夫だということが分かれば、誰もそんなに働く必要はなくなります。(p.244)

●一国の経済で誰かが貯蓄していれば別の誰かがそれを借りて使わないと経済はデフレスパイラルに陥るからです。従って、もしも民間が借りて使いたいと思う以上に民間が貯蓄しているとしたら、政府は貯蓄をしている人たちを説得して貯蓄を止めてもらうか、それとも政府が自らそれを借りて使わないと経済が回らなくなってしまいます。いまの日本は既にこの問題に直面していますし、これから全世界が同じ問題に直面することになります。(p.253)

●いまやアメリカだって主要企業を国有化していますから、社会主義化が進行していると言ってもいい。政府が購入した株が2年や3年で売却できればいいですが、10年も20年も国有化が続いたら、もう完全に社会主義です。(p.259)

●これについては、松下幸之助氏がいいことを言っています。不況になったら貧乏な人は何もできない。お金を使えるのは金持ちしかいないんだから、金持ちがお金を使わなかったら貧乏な人はみんな死んでしまうではないか、それでもいいのか、という話です。(p.265)

●100年に一度の危機だからということで、なんでもありの世界にしてはいけないと私は思っています。というのは、私はよくヨーロッパに行くのですが、最近、フライトのキャンセルが頻繁にあります。空港に行ったら、私が乗ろうとした便がキャンセルされていた。事情を聞くと、理由は分からないが、2時間後の次の便に乗れと言うのです。~(中略)~超満員だと思ったら、その便もガラガラなんです。後で考えたら、ある一定以下の客しか集まらないと自動的にキャンセルにしてしまい、次の便に全部押し込めるということをやっているようでした。~(中略)~そんなことが何度もありました。いずれも一流の航空会社です。ということは、誰かが始めたのを見て、みんなでやれば怖くないと、みんなが同じようにやり始めたのでしょう。乗客が少なければキャンセルして飛ばさない。それで経費節減ができるというわけです。もういまは何でもありになっている。だから100年に一度といって、何でもありにしたらこんな状態になってしまうのです。(p.267)

●日本人というのは、ある意味で異常に自尊心が強いのかもしれません。自分が得か損かという利害とは関係なく、相手より上か下かばかりを気にする。収入の問題ではありません。あいつがオレの上にいるのがけしからん、あいつさえいなければオレはトップセールスだとかという反応になる。本当に了見が狭い。(p.273)

●貯蓄といっても、どういう形で持つかということです。家の価格はどんどん下がるし、土地で持っていてもいまみたいに暴落する可能性がある。こういう時代は、何ひとつ確実なものはありません。~(中略)~国債を買っていても政府が破綻したら終わりです。株は暴落したら終わり。金(きん)にしても世界恐慌になって全員が売り出したら終わりです。最後に残る確実なものは農地です。農地があって自分で耕すことができれば、確実に作物はできるからです。~(中略)~自分で耕して自分の食べるものを得ることができれば、それが究極の安全です。別に全員がやる必要はありませんが、最後の最後の生存を担保するという意味で、農地はものすごく大事だと私は思います。(p.280)
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