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淵邊善彦著「企業買収の裏側」
この本は、いつも聞いているPodcast「伊藤洋一のRound Up World Now!」で紹介されていて、読んでみようと思いました。M&Aの事が平易に書かれており、非常に読みやすかったです。3日くらいで読み終わりました!



●M&Aの実態や流れを説明していく上で、最初に押さえておきたい点が2つあります。まず一つ、後に改めて説明しますが、M&Aは、イコール「買収・合併」とは限らず、さまざまな種類があり、必ずしも正確に使われていない、ということです。M&Aは、狭い意味では「株式取得」、「事業譲渡」、「合併」などを指し、広い意味では、生産や技術、販売における「提携」までも含みます。提携を一般に「アライアンス」ということもあります。それらすべてをひっくるめて広い意味で「M&A」と呼んでいるのです。(p.13)

●ファンドはその性質上、買収後5年前後で株式を上場したり売却したりすることによって、投資資金の回収時に高いリターンを得ようとします。これを「エグジット戦略(出口戦略)」といいます。(p.16)

●代表的な投資ファンドは、「プライベートエクイティファンド」(「PEファンド」と略されます)です。主に株式を公開・上場していない企業の株式に投資し、その企業の成長や再生の支援を通じて株式価値を高め、その後、上場あるいは他社への売却を通じて利益を得ます。(p.17)

●新たな動きとして、中国やシンガポールの国家ファンドの設立が注目されます。また、日本でも、資本金900億円のベンチャーキャピタルである産業革新機構が、2009年7月に設立されました。将来性のある産業を育てることを目標に経済産業省が820億円を出資したもので、8000億円の政府保証も付く、巨大な官製ファンドです。(p.18)

●話がちょっとそれますが、M&Aを発表するプレス・リリースには、共通して使われる特徴的な用語があります。お約束のように登場するのは「シナジー(効果)」、「グローバル」、「ステークホルダー」などです。「選択と集中」もよく見られる表現です。なかでも「シナジー効果」は、M&Aの「マジックワード」といっていいほどよく使われる表現です。(p.30)

●合弁会社の場合は、資本関係が生じるため契約関係は容易に解消されませんが、株主間の意見対立により意思決定ができない状態(デッドロック)が生じやすいこと、経営の意思決定が遅くなりがちであること、解消時に紛争になる恐れが大きいことなどのデメリットが考えられます。(p.38)

●企業というのは、経済活動を通じて利益を上げ、社会に貢献して初めて存在意義があるものです。利益を上げることは必要最低条件です。しかし、利益が上がっていれば幸せとは限りません。「ステークホルダー」が幸せでいるためには、利益、モチベーション、将来性、評価等の条件が満たされ、持続することも重要なことです。(p.45)

●日本電産が行うM&Aには、買収後に人員削減は行わない、買収後最高益を更新すると社名に「日本電産」をつけるというポリシーがあるようです。(p.50)

●デューディリジェンスというのは、いわゆる身上調査です(以下「DD」と略します)。一般にビジネス、会計・税務、法務の分野について行われることが多いものの、業種によっては、人事、IT、環境、知財等の新しい分野に関するDDも最近増えています。(p.55)

●そうしたことを防ぐために秘密保持契約を結ぶわけですが、違反の立証が難しいのが現実です。具体的な物を盗む話とは違って、情報は盗まれたり、目的外に使われたりしてもわかりにくい。そもそもその情報が秘密として特定されていたのか、秘密保持義務違反によって自社に損害が生じたのか(相手方に利益が生まれたのか)という問題があり、違反と損害との因果関係の証明もなかなか困難です。さらに、その損害額の証明も難しいので、秘密保持契約違反が裁判になっても実際に損害賠償が認められるケースは少ないのが実態です。(p.76)

●秘密保持契約を結んだからといって、すっかり安心しているわけにはいきません。情報を小出しにするのもテクニックの一つです。特に重要な秘密情報については、正式契約が締結されて、M&Aが破断になる恐れがほとんどなくなった段階ではじめて開示するぐらいの慎重さが必要な場合もあります。また、開示料を取るなどして相手方にその情報の重要性を認識させ、リスクの軽減を図るのもいいでしょう。なかには、対象会社の秘密情報が欲しいがために、買収する振りをして近づいてくる企業もありえます。(p.79)

●上場会社の場合は、取締役会でM&Aを行うことについて決議すると、原則として公表の義務が生じます。取締役会である程度の具体性を有する合意事項を含んだ基本合意書の内容を承認することがこれに当たります。(p.90)

●買い手が自己資金だけでなく、対象会社の将来のキャッシュフローや資産を担保に入れて、多額の借入れをして買収資金にする方法があります。この方法を「レバレッジドバイアウト(LBO)」といいます。対象会社の財産を当てにして買収するという買い手にとっては都合のいい方法です。これによって小規模の会社が自社よりも大きな会社を買収することができます。(p.103)

●デューディリジェンス(DD)は、対象会社の情報入手とその評価、自社との組み合わせの良否や将来性の判断、買収後の統合プランの作成などのために必要不可欠なプロセスです。DDをしっかり行わなかったM&Aで後日大きな問題が見つかると、M&Aを承認した取締役会の責任が問われるおそれがあります。(p.106)

●買収されること、あるいは資本を一部入れてもらうことによって業界内での立場を強化したいのであれば、日頃から、議事録や契約書を整え、法令を遵守し、紛争処理、株券の適切な取扱い等をしておく必要があります。身上調査の時点ですぐに改善できないようなアラが見つかると、買収対象から外れてしまうと知っておくべきでしょう。(p.118)

●海外におけるシェアが高い場合には、海外の競争法当局への対応も問題になります。パナソニックが三洋電機を買収する案件では、当初2009年3月の子会社化を予定していましたが、両社の電池事業の世界シェアが高いため、海外の競争法当局の審査が長引き、半年以上遅れて12月中にようやく子会社化が完了することになりました。(p.173)
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